マウスにおける新規3D可視化手法が、肝管および神経分岐形態形成の主要な調節因子として肝門部層状複合体(PLC)を特定
A novel 3D visualization method in mice identifies the periportal lamellar complex (PLC) as a key regulator of hepatic ductal and neuronal branching morphogenesis
マウス肝臓の血管系、胆管、神経ネットワークの複雑な3次元構造を可視化するため、金属化合物ナノ粒子(MCNPs)のマルチカラー灌流と最適化された組織透明化プロトコル(Liver-CUBIC)を組み合わせた高解像度3Dイメージングプラットフォームが確立された。これにより、門脈、肝動脈、胆管、肝静脈の同時3D再構築が可能になった。このデータに基づき、門脈の外層に位置する、これまで認識されていなかった「肝門部層状複合体(PLC)」が特定・定義された。PLCは、血管内皮と肝類洞周囲領域の間で門脈を囲み、低透過性バリア特性を示し、CD34+Sca-1+内皮細胞集団を含む。肝線維症の進行中に、PLCは門脈から肝小葉に向かって伸長し、胆管と神経の移動を誘導する構造的足場を形成する。
- マウス肝臓の3Dイメージングプラットフォームを用いて、肝門部層状複合体(PLC)が新たに特定・定義された
本研究で発見された「肝門部層状複合体(PLC)」は、肝線維症の進行に伴い胆管や神経の移動を誘導する構造的足場を形成することが示唆されており、肝疾患の病態理解と新規治療標的の開発につながる可能性がある。特にPLCがCD34+Sca-1+内皮細胞集団を含む点は、血管生物学や再生医療の観点からも注目に値する。基礎生物学レベルの発見ではあるが、肝線維症治療や肝再生医療への応用が期待される点で、創薬・バイオテクノロジー分野の投資家にとってウォッチすべき成果である。