マウスの前眼部発生における単一細胞特性評価により、房水流出路とシュレム管形成を駆動する細胞種、経路、シグナルが明らかに
Single-cell characterization of anterior segment development in the mouse reveals the cell types, pathways, and signals driving formation of the trabecular meshwork and Schlemm’s canal
マウスの前眼部(AS)発生における単一細胞トランスクリプトームプロファイリングにより、房水流出路(TM)とシュレム管(SC)の発生過程における細胞種、経路、シグナル伝達ネットワークの詳細が明らかになった。生後2日目(P2)から60日目(P60)までの約13万個の単一細胞のトランスクリプトームデータを解析し、発生段階ごとの細胞種の同定と、TM細胞およびSC内皮細胞(SEC)サブタイプの発生経路を追跡した。特に、発生中のSCとTM細胞間のシグナル伝達相互作用の動的な変化が示され、これらの組織の同期した発生を駆動する遺伝子とシグナルネットワークが特定された。このデータは、正常な眼球生理学、緑内障、その他のAS関連疾患の理解に貢献する分子基盤を提供する。
- マウス前眼部発生における約13万個の単一細胞トランスクリプトーム解析により、房水流出路とシュレム管形成の細胞種・経路・シグナル伝達ネットワークが特定された
本研究成果は、緑内障や前眼部疾患の病態理解に直結する分子基盤を提供するものであり、創薬標的の発見や細胞治療・遺伝子治療の基盤となり得る。単一細胞解像度での発生プロセスの解明は、眼圧調整機構の理解を飛躍的に進める可能性があり、眼科領域のスタートアップや創薬企業にとって重要。ただし現時点は基礎研究段階であり、創薬応用までには距離がある点に留意が必要。