ショウジョウバエの翅におけるコンパートメント境界形成中のapterous cis-regulatory入力をin situ変異スクリーニングとCRISPR干渉により定義する
In situ mutational screening and CRISPR interference define apterous cis-regulatory inputs during compartment boundary formation
ショウジョウバエの翅における前後(AP)および背腹(DV)コンパートメント境界の確立は、組織の発生に不可欠である。本研究では、初期apterousエンハンサー(apE)が統合する転写入力と、正しい境界形成におけるそれらの必要性を機能的に調査した。CRISPR/Casを用いた詳細な変異解析により、apEがDV境界をAP境界に対して位置付ける役割を果たし、apE変異体ではしばしば鏡像反転した前翅重複が見られることが明らかになった。さらに、dCas9発現による組織特異的なエンハンサー破壊法を開発・適用し、apE機能の時空間的必要性を解明した。これにより、apEの誤調節がAP欠損を引き起こすメカニズムが明らかになった。apEの塩基対分解能解析により、翅の発生に不可欠な単一のHOX結合部位が発見され、その変異は翅のないハエを引き起こした。転写因子Pointed (Pnt)、Homothorax (Hth)、およびGrain (Grn)がapE機能に必要であり、HOX遺伝子Antennapedia (Antp)が初期翅発生に寄与することが実証された。これらの結果は、初期ap活性化の包括的な分子基盤と、その誤調節による発生学的結果を提供し、発生中にコンパートメント境界がどのように設定されるかを明らかにする。
本記事はショウジョウバエの翅発生における遺伝子発現制御の基礎生物学的研究であり、明確な産業応用や投資判断に直結する具体的な成果発表ではない。ただし、CRISPR/Casを用いたin situ変異スクリーニングやdCas9による組織特異的エンハンサー破壊法は、発生生物学における遺伝子機能解析の手法として価値がある。しかし現時点では投資判断の材料とはならない基礎研究の範囲である。