科学技術・学術審議会情報委員会 第47回会合 議事録
情報委員会(第47回) 議事録
科学技術・学術審議会情報委員会第47回会合が、文部科学省にてハイブリッド形式で開催された。冒頭、生田大臣官房審議官(研究振興局及び高等教育政策連携担当)より、AIが科学研究の国際競争において不可欠な存在となっている現状と、文科省の取り組みについて挨拶があった。議題1では、理化学研究所革新知能統合研究センター(AIPセンター)の杉山センター長より、AIPプロジェクト10年の振り返りと今後の方向性について説明があった。AIPプロジェクトは、機械学習技術を軸に基礎から応用・社会実装まで一貫した研究体制を構築し、産学官連携や国際発信、人材育成を目指してきた。汎用グループでは機械学習技術の原理解明、目的グループではAI for Scienceや社会課題解決、社会グループではAIと人間社会の共生基盤構築に取り組み、多数の国際会議での発表や論文採択、受賞などの成果を上げた。今後は、マセマティカルインテリジェンス、ドメインインテリジェンス、フィジカルインテリジェンスの3グループ体制で、科学研究の強化やドメイン指向AI技術の開発、国際的な人材獲得・育成を目指す。質疑応答では、汎用グループと目的・社会グループ間のシナジー効果や、物理世界AIにおける新しいモデルアーキテクチャの研究について議論があった。議題2では、第46回情報委員会の結果報告として、情報分野の研究開発プランの案変更等に関する書面審議の結果が報告された。議題3では、「HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)の運営」の中間評価について、栗原計算科学推進室長より説明があった。HPCIは「富岳」を中核に国内の計算資源を連携活用する共用計算基盤であり、利用者数や産業界利用の拡大、AI for Science分野への支援強化などが進められている。評価は高く、今後も継続的な運営と発展が提案された。質疑では、利用者の認証から利用までの簡便化、利用者数のカウント方法、AI for Science分野への対応について意見交換が行われた。議題4では、令和9年度情報科学技術関連施策の方向性を検討するにあたり、海外公的機関におけるAI for Scienceを見据えた研究インフラの動向について、NIIの中島上級学術基盤研究員より、EOSC、SURF、ACCESS、DataON等の事例報告があった。
- 理化学研究所AIPセンターの杉山センター長が、AIPプロジェクト10年の成果を報告し、今後はマセマティカルインテリジェンス、ドメインインテリジェンス、フィジカルインテリジェンスの3グループ体制で科学研究強化やドメイン指向AI技術開発、国際的人材獲得・育成を目指す方針を示した。
- HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)の中間評価が報告され、「富岳」を中核に国内計算資源を連携活用する共用計算基盤として高評価を得て、継続的な運営と発展が提案された。AI for Science分野への支援強化も進められている。
- 令和9年度情報科学技術関連施策の方向性検討のため、NIIの中島上級学術基盤研究員がEOSC、SURF、ACCESS、DataONなど海外公的機関におけるAI for Scienceを見据えた研究インフラの事例を報告した。
文科省の審議会議事録であり直接の投資対象ではないが、AIPプロジェクトが10年を経て「マセマティカル/ドメイン/フィジカルインテリジェンス」の3グループ体制へ再編される方針が示された点は、日本のAI研究開発の重点領域(特にAI for Scienceと物理世界AI)と予算配分の方向性を示す。HPCIの中間評価が高く「富岳」を中核とした計算基盤の継続運営が提案されたことは、国産計算資源を活用するAI・シミュレーション関連企業にとって中期的な需要環境の追い風になる。欧州EOSCやオランダSURFなど海外公的AI研究インフラの動向調査が始まっており、今後の国内整備方針次第では関連ベンダーの受注機会につながる可能性がある。