ICU患者における虚血/再灌流性横紋筋融解症の血液吸着療法の早期開始は腎機能回復を改善させる可能性
Early start of hemoadsorption is associated with improved kidney recovery in ICU patients with ischemic/reperfusion cause of rhabdomyolysis
ICU患者における虚血/再灌流性の横紋筋融解症および急性腎障害(AKI)に対する血液吸着療法(CytoSorb®)と持続的腎代替療法(CRRT)の併用について、単一施設での後向きコホート研究が行われた。AKI発症から12時間以内を早期開始群、それ以降を後期開始群とし、血液吸着療法群(30名)とCRRTのみ群(25名)を比較した。血液吸着療法群では、対照群と比較して全ての時点においてミオグロビン値の有意な低下が観察された。血液吸着療法の使用は、AKIの期間短縮(OR 3.46)および急性腎疾患(AKD)の減少(OR 2.85)と関連していた。特に、早期開始はAKI期間の短縮(OR 3.22)およびAKDの減少(OR 3.10)と統計的に有意に関連し、早期開始群の生存期間は後期開始群よりも有意に長かった(49.2日 vs 15.3日)。結論として、CytoSorb®を用いたCRRTと血液吸着療法の早期併用は安全であり、虚血/再灌流性横紋筋融解症およびAKI患者の腎機能回復と生存率の改善に関連していた。
- 虚血/再灌流性横紋筋融解症およびAKI患者に対し、CytoSorb®を用いた血液吸着療法とCRRTの早期併用(AKI発症12時間以内)が、後期開始群と比較して生存期間を有意に延長した(49.2日 vs 15.3日)。
本件はCytoSorb®という既存の血液吸着デバイスについて、虚血/再灌流性横紋筋融解症とAKIを併発したICU患者への早期適用が腎機能回復と生存期間延長に有意に寄与することを示した臨床エビデンスである。CytoSorb®は米CytoSorbents社の製品であり、適応拡大を示唆する後ろ向きコホートデータとして公表された点は、同社の事業価値や競合他社(血液浄化療法関連企業)の戦略に影響を与えうる。ただし単一施設・後ろ向き研究であり、エビデンスレベルは限定的。今後の前向きRCT結果が注目される。