PET廃棄物由来のハードカーボン、ナトリウムイオン電池アノード向けに優れたレート特性を発揮
PET Waste-Derived Hard Carbon with Superior Rate Capability for Sodium-Ion Battery Anodes
リチウムイオン電池の代替として期待されるナトリウムイオン電池(SIB)において、ハードカーボン(HC)は最も適したアノード材料である。本研究では、廃棄物量の増加が課題となっているPET(ポリエチレンテレフタレート)を直接炭化(900~1400°C)してHCの前駆体として利用した。炭化温度は材料の構造と電気化学特性に大きく影響し、PET_1000およびPET_1100のサンプルが最も優れた特性を示した。これらのサンプルは、20 mA g−1の電流密度で275~280 mAh g−1という高い可逆容量をナトリウムイオン半電池で示した。この結果は、リサイクルPETの制御された炭化がSIB向けの高効率アノード材料を得るための効果的なアプローチであり、同時にプラスチック廃棄物の利用法としても有望であることを示している。
- PET廃棄物を900~1400°Cで直接炭化し、ハードカーボン(HC)アノード材料を合成
- PET_1000およびPET_1100サンプルが、20 mA g−1で275~280 mAh g−1の可逆容量を達成
プラスチック廃棄物(PET)からナトリウムイオン電池向けの高性能アノード材料を合成する手法が報告された。ナトリウムイオン電池はリチウムイオン電池の代替として注目されており、材料コストとサプライチェーンの脆弱性が課題となる中、廃PETを高付加価値な電池材料に転換する本アプローチは、廃棄物問題の解決と蓄電デバイスの低コスト化を同時に狙う点で興味深い。ただし実験室レベルの基礎研究であり、実用化・量産化には課題が残るため、投資判断の直接的な材料にはなりにくいが、関連スタートアップや材料リサイクル技術の動向を追う上で参考になる。