シリカフュームと減水剤を用いた相乗的アプローチによる高容積アルカリバイパスド配合の持続可能なモルタルの最適化と性能
Optimization and Performance of Sustainable Mortar Incorporating High-Volume Alkali Bypass Dust: A Synergistic Approach Using Silica Fume and Water Reducer
本研究では、セメントキルン廃棄物であるアルカリバイパスド(ABD)を補足的セメント系材料としてモルタルに利用することを調査した。ABDを直接配合すると作業性と強度が低下したが、減水剤(WR)とシリカフューム(SF)を用いた二重改質戦略により、ABDの置換率0〜50%のモルタルで性能が改善された。WRは作業性を回復させ初期強度を向上させ、SFはポゾラン反応を通じて長期性能を強化した。ABD、WR、SFの三成分系ブレンドでは相乗効果が見られ、50%のABD置換率で28日圧縮強度が対照区(49.9 MPa)と同等になった。応答曲面法による統計分析では、強度発達は個々の量よりも材料間の相互作用が主に支配することが確認された。統計的に検証されたモデルは、所望の圧縮強度と曲げ性能を得るための配合最適化に利用できる。最適化された30〜50%のABD配合は、非構造用途に適用可能であり、廃棄物の価値向上とセメント消費量の削減に向けた持続可能な道を提供する。
セメントキルン廃棄物(ABD)を最大50%もモルタルに置換しつつ、減水剤とシリカフュームの二重改質で強度を維持できるという成果は、建材分野のサステナブル素材として注目に値する。セメントはCO2排出源として世界的に規制が強まっており、廃棄物の有効活用とセメント使用量削減を両立する本技術は、規制対応とコスト削減の両面で需要が見込める。ただし、現時点では研究段階であり、実用化・量産化のメドや企業関与は明らかでないため、即座の投資判断には繋がらない。