モデルベースfMRIを用いた視野全体のヒト視覚コントラスト感度と視力損失のマッピング
Mapping human visual contrast sensitivity and vision loss across the visual field with model-based fMRI
本研究では、精密な注視を必要とせずに視野全体のコントラスト感度を測定するfMRIベースのアプローチを開発した。大視野刺激と様々な空間周波数・コントラストレベルを組み合わせ、pRFマッピングまたは構造ベースの網膜地図を用いて、一次視覚野(V1)における広範囲(40度)のコントラスト感度をモデル化した。健常者7名で、V1感度の偏心度および象限ごとの違いを個々およびセッションレベルで再現性高く特徴づけた。2名の参加者で眼球運動の影響を調査した結果、低空間周波数では眼球運動があってもV1感度パターンはほぼ維持され、注視の不安定性がある集団にも適用可能であることが示唆された。さらに、シミュレートされた疾患関連の感度低下を皮質レベルで効果的に可視化した。構造ベースの網膜地図を用いることで、pRFマッピングと精密な注視が不要になる場合もあるが、感度は低下する。このアプローチは、様々な視覚障害における視力損失と回復のモニタリングに有望なツールとなる。
- fMRIと大視野刺激を組み合わせ、精密な注視を必要とせずに一次視覚野(V1)の広範囲(40度)のコントラスト感度をモデル化する手法を開発した。
- 健常者7名で偏心度および象限ごとのV1感度の違いを個人・セッションレベルで再現性高く特徴づけた。
- 眼球運動の影響を2名で検証し、低空間周波数では眼球運動があってもV1感度パターンがほぼ維持され、注視が不安定な集団にも適用可能と示唆された。
- pRFマッピングまたは構造ベースの網膜地図を用い、構造ベースではpRFマッピングと精密な注視が不要になる場合もあるが感度が低下する。
- シミュレートされた疾患関連の感度低下を皮質レベルで可視化し、視覚障害における視力損失と回復のモニタリングへの応用可能性を示した。
fMRIで注視を必要とせず視野全体のコントラスト感度をマッピングする研究は、BCI・ニューロテック領域の基盤技術になり得る。特に注視不安定性のある患者(眼疾患・神経疾患)でも適用可能という点は、視覚障害モニタリングや回復評価という臨床応用の裾野を広げる。ただし現段階では健常者7名・眼球運動検証2名の小規模な学術研究であり、事業化や規制承認の具体的な事象はなく、投資判断に直結する材料は限定的。ニューロイメージング/BCI関連企業の技術起点として長期的に注視する価値はある。