自由行動下の動物におけるミニスコープを用いた9つの異なる神経細胞集団の機能的イメージング
Functional imaging of nine distinct neuronal populations under a miniscope in freely behaving animals
ヘッドマウント型ミニスコープは、自由行動下の動物における機能的蛍光イメージングを可能にするが、現在の技術では最大2つのスペクトル的に異なる蛍光色素の記録に限定され、識別可能な細胞タイプが制限されていた。本研究では、ミニスコープによるカルシウムイメージングとin vivo多重共焦点スペクトルイメージングを組み合わせたパイプライン「Neuroplex」を開発した。これにより、同じGRINレンズを通して9つの投射定義神経サブタイプを区別することが可能になった。線形アンミキシングにより、定義された神経細胞と蛍光色素固有のスペクトル指紋を共同登録することで、投射定義されたアイデンティティを行動関連神経活動に結びつける。このアプローチは、ミニスコープのスペクトル制約を克服し、単一動物における行動の回路レベルの解剖を可能にする。
- ニューロパイル(Neuroplex)と呼ばれる、ミニスコープとin vivo多重共焦点スペクトルイメージングを組み合わせたパイプラインが開発された
本研究成果「Neuroplex」は、従来2つまでだったミニスコープでの神経細胞タイプ識別を9つに拡張した点が画期的である。自由行動下の動物で複数の投射定義神経サブタイプを同時イメージングできる技術は、神経科学研究の基盤ツールとして高い需要が見込まれ、関連する光学機器・イメージング装置ベンチャーや、神経科学向け計測技術を手掛ける企業のバリュエーション向上につながる可能性がある。特に、カルシウムイメージングと多重スペクトルイメージングを組み合わせたアプローチは、行動−回路レベルの解析を飛躍的に進めるため、創薬や脳機能解明における応用が期待される。