Cloudflare、ポスト量子暗号に対応したMerkle Tree Certificates (MTC) をサポートする認証局 (CA) を提供開始
Building a post-quantum certificate authority with Merkle Tree Certificates
Cloudflareは、ポスト量子暗号(PQ)時代に対応するため、Merkle Tree Certificates(MTC)を発行する認証局(CA)の提供を開始します。MTCは、従来の証明書発行・管理システムにおけるスケーリング問題を解決し、透明性を向上させる新しいアプローチです。PQ署名は従来の約40倍大きくなるため、インターネット規模での証明書管理に課題がありましたが、MTCは証明書をMerkleツリーにバッチ処理し、ツリーのルートを署名することで、効率的な検証を可能にします。Cloudflareは、Chromeとの実験でMTCの有効性を確認しており、2027年初頭にはChromeのQuantum-resistant Root Storeへの搭載を目指しています。同社は、標準MTCの発行を無料で提供し、インターネットの安全な移行を支援します。MTCは、証明書の署名アルゴリズムを変更し、X.509形式でエンコードされます。スタンドアロン形式とランドマーク相対形式があり、後者は効率を大幅に向上させます。Cloudflareは、Let's EncryptのBoulder ACMEソフトウェアをフォークし、MTCサポートを開発中です。また、独立したcosignerによる検証も必須となります。
- Cloudflareがポスト量子暗号対応のMerkle Tree Certificates(MTC)を発行する認証局(CA)の提供を開始し、標準MTC発行を無料で提供
- PQ署名は従来比約40倍のサイズとなりインターネット規模の証明書管理が課題だったが、MTCは証明書をMerkleツリーにバッチ処理しルートのみ署名することで効率的検証を可能にする
- Chromeとの実験でMTCの有効性を確認し、2027年初頭にChromeのQuantum-resistant Root Storeへの搭載を目指す
- MTCはX.509形式でエンコードされ、スタンドアロン形式とランドマーク相対形式があり後者が効率を大幅に向上させる
- CloudflareはLet's EncryptのBoulder ACMEソフトウェアをフォークしMTCサポートを開発中で、独立したcosignerによる検証も必須とする
ポスト量子暗号(PQC)移行のボトルネックは署名サイズと証明書のスケーラビリティであり、CloudflareがMTC(Merkle Tree Certificates)発行CAを無料で提供開始し、Chromeの量子耐性Root Store搭載を2027年初頭に狙う点は、PQC移行の実装レイヤーを同社が握りにいく動きと読める。X.509互換でBoulderフォークにより既存ACME運用に載せられる設計は導入摩擦が小さく、CA・TLS運用市場の競争条件と証明書透明性(cosigner必須)の標準化主導権に影響しうる。投資家は、PQC関連の需要が「アルゴリズム選定」から「証明書基盤・運用ツール」へ移るタイミング、およびCloudflareのエッジ/セキュリティ事業の付加価値向上とChrome側のロードマップ進捗を追跡すべき。