塩化カルシウムによる赤泥系裏込め材の強度とpHの相乗的制御:水和、相転換、微細構造進化
Synergistic Regulation of Strength and pH in Red Mud-Based Backfill Materials by CaCl2: Hydration, Phase Transformation and Microstructural Evolution
本研究では、未処理の赤泥と他の原料を用いて、塩化カルシウム(CaCl2、1~3重量%)を添加した赤泥系裏込め材(RBMs)を作製し、機械的特性、水抽出液のpH、微細構造の進化を調査した。CaCl2の添加はRBMsの早期強度を向上させ、1~3重量%のCaCl2で7日後のUCSは5.63~6.19 MPaに達し、参照値(4.54 MPa)と比較して24.0~36.3%増加した。また、水抽出液のpHはCaCl2含有量の増加に伴い減少し、28日後の3重量%CaCl2で10.49となり、参照値より0.61 pHユニット低くなった。さらに、最適なCaCl2含有量は水和生成物の形成と細孔構造の洗練を促進したが、過剰なCaCl2は28日後の細孔構造の劣化と機械的性能の低下に関連していた。本研究は、煩雑な原料の前処理なしに、機械的特性と水抽出液のpHの相乗的制御を達成し、赤泥の資源利用に関する理論的参考と技術的支援を提供するものである。
- 未処理の赤泥と他原料に塩化カルシウム(CaCl2)を1~3重量%添加した赤泥系裏込め材(RBM)を作製し、機械的特性・水抽出液pH・微細構造を評価した研究。
- CaCl2添加により7日後の一軸圧縮強度(UCS)は5.63~6.19 MPaとなり、参照値4.54 MPa比で24.0~36.3%向上した。
- 水抽出液のpHはCaCl2含有量の増加に伴い低下し、28日後の3重量%CaCl2で10.49と参照値より0.61 pHユニット低くなった。
- 最適なCaCl2量は水和生成物の形成と細孔構造の洗練を促す一方、過剰添加は28日後の細孔構造劣化と機械的性能低下につながった。
赤泥はアルミ精錬の副産物で大量に発生し、強アルカリ性ゆえに処理・処分コストと環境規制リスクが長年の課題。本研究は前処理なしでCaCl2を1~3wt%添加するだけで7日強度を24~36%向上させつつ、28日pHを0.61下げる「強度とpHの同時制御」を達成した点が実務的。ただし論文段階の室内試験であり、実プラントでのスケールアップ、CaCl2コストと供給、長期耐久性・重金属溶出の検証が事業化の前提となる。赤泥を扱うアルミ精錬各社やセメント・建設資材メーカーにとって、産廃処理から付加価値資材への転換余地を示す材料技術として注視したい。