ラクトバチルス・ブルガリクス OLL1073R-1 および サーモフィラス菌 OLS3059 による通常樹状細胞および形質細胞様樹状細胞の活性化と抗ウイルス免疫応答の増強
Activation of conventional and plasmacytoid dendritic cells and enhancement of anti-viral immune responses by Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1 and Streptococcus thermophilus OLS3059
ラクトバチルス・ブルガリクス OLL1073R-1(L. bulgaricus OLL1073R-1)とストレプトコッカス・サーモフィラス OLS3059(S. thermophilus OLS3059)を含むヨーグルトの摂取が、ウイルス感染の抑制や呼吸器症状の軽減に効果があることが過去の研究で報告されている。本研究では、これらの乳酸菌がヒト末梢血単核球中の通常樹状細胞(cDCs)および形質細胞様樹状細胞(pDCs)を活性化することを実証した。さらに、cDCsとpDCsの両方がI型インターフェロン産生に必要であり、cDCsのみがL. bulgaricus OLL1073R-1によって刺激された際のヘルパーT細胞応答の増強に不可欠であることを明らかにした。これらの結果は、このヨーグルトの摂取によって誘導される抗ウイルス免疫応答が、L. bulgaricus OLL1073R-1とS. thermophilus OLS3059の両方によって、cDCsとpDCsの活性化を介して媒介されることを示唆している。
- L. bulgaricus OLL1073R-1 と S. thermophilus OLS3059 が、ヒト末梢血単核球中の通常樹状細胞(cDCs)と形質細胞様樹状細胞(pDCs)を活性化することを実証した。
- I型インターフェロン産生には cDCs と pDCs の両方が必要である一方、ヘルパーT細胞応答の増強には cDCs のみが不可欠であることを示した。
- ヨーグルト摂取で誘導される抗ウイルス免疫応答が、両菌株による cDCs と pDCs の活性化を介して媒介される可能性を示唆した。
乳酸菌を用いた免疫調節・抗ウイルス応答の作用機序をヒト細胞レベルで解明した基礎研究であり、特定株(明治のOLL1073R-1など)を軸とした機能性食品・プロバイオティクスの科学的差別化材料になり得る点に注目。cDC/pDCという自然免疫の標的細胞が同定されたことで、免疫賦活を謳う製品のエビデンス強化や、感染症予防領域での新モダリティ開発余地につながる可能性がある。ただし現段階では臨床的な有効性・事業化規模の言及はなく、投資判断には追加の臨床データと商用化動向の確認が必要。