パラジウム電極触媒を用いた同時発電・CO2削減燃料電池の開発
Development of a Fuel Cell for Simultaneous Power Generation and CO2 Reduction Using a Palladium Electrocatalyst
本研究では、H+が関与するCO2還元反応の化学平衡を利用し、H2-CO2燃料電池における電気化学的CO2還元効率の向上を目指した。Pd/Cカソードを組み込んだPEFC(高分子電解質形燃料電池)を作製し、CO2還元と発電性能を評価した。CO2還元により、メタン(CH4)、メタノール(CH3OH)、乳酸(CH3CH(OH)COOH)が最小過電圧で生成され、ファラデー効率はそれぞれ14.5%、0.29%、0.024%であった。さらに、このPEFCはH2-CO2燃料電池としてCO2を同時に還元しながら、最大0.58 mW cm−2の最大電力密度を達成した。Pd/C電極触媒を利用することで、エネルギー集約型のCO2変換を発電する電気化学プロセスに転換できることが示された。
- Pd/Cカソードを組み込んだPEFC(高分子電解質形燃料電池)を作製し、CO2還元と発電性能を評価した。
- CO2還元によりメタン(CH4)、メタノール(CH3OH)、乳酸が最小過電圧で生成され、ファラデー効率はそれぞれ14.5%、0.29%、0.024%だった。
- H2-CO2燃料電池としてCO2を同時に還元しながら、最大電力密度0.58 mW cm−2を達成した。
- Pd/C電極触媒により、エネルギー集約型のCO2変換を発電する電気化学プロセスへ転換できることが示された。
H2-CO2燃料電池という発電とCO2還元を同時に行うコンセプトは、水素・CCU(CO2利用)領域の新しい技術経路として注目したい。ただし本件はPd/Cカソードを用いたPEFCの実験室的成果で、最大電力密度0.58 mW cm−2、CH4のファラデー効率14.5%は実用スケールにはほど遠い。投資判断としては、過電圧低減とファラデー効率(特にメタノール0.29%、乳酸0.024%)の改善度合い、電極触媒コスト(Pd使用量)と耐久性、そして企業・研究機関による実証やスケールアップの動きを継続的に追うべき段階。現時点では「技術シーズの確認」であり、事業化・収益化までの距離は大きい。