CO2回収・利用を伴う火力発電所向け新電力・化学品コジェネレーション設計
A New Power–Chemicals Cogeneration Design for Thermal Power Stations with CO2 Capture and Utilization
酸素富化燃焼CO2回収技術とCO2水素化メタノール技術を組み合わせ、CO2回収・利用を伴う火力発電所向けの新電力・化学品コジェネレーション(PCC)設計を提案する。この設計では、酸素富化火力発電所からのCO2と再生可能電力を用いた水電解によるH2をメタノール製造の原料とする。水電解によるO2は酸素富化火力発電所に供給され、電力消費と空気分離装置への投資を削減する。メタノール製造に必要なガス圧縮動力と熱は酸素富化火力発電所から供給され、メタノール製造プロセスで放出されるエネルギーは追加の発電に利用される。エネルギー分析の結果、CO2回収・利用率は78.1%を達成可能。600MW火力発電所にシステムを統合した場合、純発電量は473.1MW、メタノール生産量は56.1kg/sとなる。経済性分析では、電力コストは62.8 $/MWhと見積もられ、CO2回収を伴う従来の火力発電所と比較して市場競争力がある。メタノールコストは、材料費、電力・熱費の節約により、1.33 $/kgから1.20 $/kgに削減される。再生可能電力を用いた水電解によるH2費用がメタノールコストに決定的な影響を与える。
- 酸素富化燃焼CO2回収とCO2水素化メタノール技術を統合した火力発電所向けPCC設計を提案
- CO2回収・利用率は78.1%を達成可能
- 600MW火力発電所統合時の純発電量473.1MW、メタノール生産量56.1kg/sを見積もり
- 電力コストは62.8$/MWhと見積もられ、CO2回収を伴う従来型と比較して市場競争力あり
- メタノールコストは材料費・電力熱費の節約により1.33$/kgから1.20$/kgに削減
本記事はCO2回収・利用(CCUS)とメタノール製造を統合した火力発電所向けコジェネレーションシステムの設計提案であり、CO2回収率78.1%・電力コスト62.8$/MWhという具体的な数値が示されている。投資家視点では、CCUS分野におけるプロセス統合型のコスト低減可能性と、メタノールの原料コスト構造(特に再生可能水素由来のH2費用が決定的)に注目すべき。ただし現時点では学術的なシミュレーション設計段階であり、実証・商用化のマイルストーンには至っていない点に留意が必要。