廃ポリウレタン/クラムゴム複合材改質アスファルトの特性と微細構造に関する研究
Research on Properties and Microstructure of Waste Polyurethane/Crumb Rubber Composite Modified Asphalt
本研究は、廃ポリウレタン(WPU)とクラムゴム(CR)を複合改質材としてアスファルトに利用し、バインダーの高温流動学的挙動を改善するとともに、固体高分子廃棄物のリサイクルルートを提供する。高せん断混合により調製されたWPU/CR複合アスファルトは、従来の物理試験、回転粘度、温度掃引、多重応力クリープ回復(MSCR)試験で評価された。蛍光顕微鏡(FM)とフーリエ変換赤外分光法(FTIR)により微細構造と化学的メカニズムが解析された。結果として、CR改質アスファルト(CRMA)にWPUを組み込むことで、高温流動学的安定性と永久変形抵抗が著しく向上することが示された。この構造的改良は、CRとWPU改質材による軽質アスファルト分吸収による物理的膨潤と、バインダーマトリックス内での物理的絡み合い、粒子強化、ポリマーネットワーク形成という二重の相乗効果によるものである。しかし、過剰なWPU含有量は粒子凝集と相分離を引き起こすことが微細構造解析で明らかになった。WPU/CR複合改質アスファルトは有望な材料であるが、バランスの取れた性能のためには改質材比率が重要である。総合的な性能バランスを達成するため、研究では選択された15% CR基準マトリックスと15% WPUを組み合わせた複合配合を推奨している。本研究は、道路工学におけるWPUのプレミアムリサイクルに向けた実行可能な技術的枠組みを提供する。
- 廃ポリウレタン(WPU)とクラムゴム(CR)を複合改質材としてアスファルトに利用し、バインダーの高温流動学的挙動を改善するとともに固体高分子廃棄物のリサイクルルートを提供する研究結果が示された。
- 高せん断混合で調製したWPU/CR複合アスファルトを回転粘度・温度掃引・多重応力クリープ回復(MSCR)試験で評価し、蛍光顕微鏡(FM)とFTIRで微細構造と化学メカニズムを解析した。
- CR改質アスファルト(CRMA)にWPUを組み込むことで高温流動学的安定性と永久変形抵抗が著しく向上し、軽質アスファルト分の吸収による物理的膨潤と粒子強化・ポリマーネットワーク形成の二重相乗効果が寄与している。
- 過剰なWPU含有量は粒子凝集と相分離を引き起こすことが微細構造解析で判明し、性能バランスのため15%CR基準マトリックスと15%WPUの複合配合が推奨された。
廃ポリウレタン(WPU)とクラムゴム(CR)を複合改質材としてアスファルトに再利用する研究で、15%CR+15%WPUの配合が高温流動学的安定性と永久変形抵抗を大きく改善すると報告。固体高分子廃棄物のプレミアムリサイクルという新しい需要先を切り開く可能性があり、ポリウレタンやタイヤゴム由来原料のリサイクル事業者、アスファルト改質材メーカーにとって中長期的な追い風になり得る。ただし現時点では実験室レベルでの配合最適化の域を出ず、実用化・規格化・施工コストの検証が今後の投資判断の鍵となる。