セラミックレンガ廃棄物とメタカオリン廃棄物由来ジオポリマーバインダーの高温挙動と機械的性能
High-Temperature Behavior and Mechanical Performance of Ceramic Brick and Metakaolin Waste Based-Geopolymer Binder
本研究は、セメント産業のCO2排出量削減を目指し、セラミックレンガ廃棄物(CBW)とメタカオリン廃棄物(MKW)を原料としたジオポリマーバインダーの性能を評価した。CBWをMKWで段階的に置換した5種類の組成(MKW 25~100 wt.%)を調製し、アルカリ活性剤比(Na2SiO3/NaOH = 1.5)とNaOHモル濃度(8 M)は一定とした。流動性、強度、軟化係数、乾燥収縮などを評価し、200~800°Cの高温下での性能をX線回折(XRD)、FT IR、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて分析した。MKWリッチなバインダー(F5)は、高い反応性を持つ非晶質ゲルを形成し、200°C硬化後に82.8 MPaという高い常温強度を示した。一方、CBWのみのバインダー(F1)は、800°Cに曝露後も46.4 MPaの圧縮強度を維持し、優れた熱安定性を示した。これらの結果は、原料の鉱物組成、ゲル化学、高温性能の間の明確な構造-特性相関を示しており、廃棄物由来ジオポリマーの設計に有用な知見を提供する。
- セラミックレンガ廃棄物(CBW)をメタカオリン廃棄物(MKW)で25~100 wt.%置換した5組成のジオポリマーバインダーを調製し、Na2SiO3/NaOH=1.5、NaOH 8 Mで評価した
- MKWリッチなF5は高反応性の非晶質ゲルを形成し、200°C硬化後に82.8 MPaの高圧縮強度を示した
- CBWのみのF1は800°C曝露後も46.4 MPaの圧縮強度を維持し、優れた熱安定性を示した
- XRD・FT IR・SEM分析により、原料の鉱物組成・ゲル化学・高温性能の構造-特性相関を提示し、廃棄物由来ジオポリマー設計の知見を提供した
セメント由来CO2削減を狙う廃棄物ベースのジオポリマーは、建設資材の脱炭素という巨大市場に直結する素材研究。特にCBWのみのバインダー(F1)が800°C曝露後も46.4 MPaを維持した耐熱性は、耐火材・高温炉内張りなど付加価値の高い用途への展開可能性を示す。MKWリッチ(F5)の200°C硬化で82.8 MPaという高強度も、低温硬化型材料としてプレキャスト用途などで差別化要因になり得る。現時点では実験室レベルの組成最適化の話であり、商用化・コスト・量産性・原料安定調達は未検証なため、即時の投資判断材料ではないが、脱炭素建材の技術シーズとして原料調達先と実証段階の進展を継続ウォッチしたい。