都市ごみ焼却飛灰を石炭飛灰ベースのジオポリマーマトリックスに使用した際の機械的性能と重金属固定化
Use of Municipal Solid Waste Incinerator Fly Ash in Coal Fly Ash-Based Geopolymer Matrix: Mechanical Performance and Heavy Metals Immobilization
都市ごみ焼却飛灰(MSWIFA)は、塩化物と重金属を多く含むため環境リスクがある。本研究では、MSWIFAを石炭飛灰(CFA)とジオポリマー化により固化し、低温焼成と水洗によりダイオキシンと塩化物を除去した。全ての配合で重金属は規制値を下回るレベルで固定化された。焼成・水洗飛灰(CWFA)の添加率を0%から25%に増やすと、28日圧縮強度は32.5 MPaから4.8 MPaに、流動性は185 mmから128 mmに低下したが、アルカリ活性剤の含有量とモジュラスの増加はこれらの特性を向上させた。適量のCa(OH)2の添加は、アルカリ活性剤の作用下でゲル骨格内でのNa+のCa2+による置換を促進し、ゲルネットワークの形成を有利にした。Ca(OH)2の添加量が7.5%に増加すると、28日圧縮強度は45.75 MPaから53.33 MPaに増加した。しかし、過剰なCa(OH)2は未反応残渣の増加と炭酸化の加速を招き、活性サイトを占有しゲル連続性を阻害したため、強度は49.85 MPaにわずかに低下した。本研究は、MSWIFAをジオポリマーに利用するための実行可能な道筋を提供し、特に圧縮強度、流動性、重金属毒性を調整するためのCa制御の最適化に貢献する。
- MSWIFAを石炭飛灰ベースのジオポリマーマトリックスに固化し、全ての配合で重金属を規制値以下に固定化することに成功した
- Ca(OH)2添加量7.5%で28日圧縮強度が53.33 MPaまで向上し、アルカリ活性剤下でゲルネットワーク形成が促進された
- 焼成・水洗飛灰(CWFA)添加率を25%まで増やすと圧縮強度が32.5 MPaから4.8 MPaに低下したが、アルカリ活性剤の調整で特性を改善可能であることを示した
都市ごみ焼却飛灰(MSWIFA)のジオポリマー固化による重金属固定化と強度制御に関する研究成果であり、廃棄物処理と建設材料の融合領域で新素材技術としての価値がある。特にCa(OH)2添加量の最適化による圧縮強度向上(53.33 MPa)という定量的成果は、廃棄物由来の環境負荷低減と材料性能向上を同時に実現する点で投資判断に寄与する。ただし、実験室レベルの知見であり、商業化やスケールアップの具体性はない点は留意が必要。