リュウゼツランのバガス由来セルロースナノクリスタルをCPC-30Rポルトランドセメントモルタルの補強材として利用
Cellulose Nanocrystals Obtained from Agave tequilana Weber Bagasse as Reinforcing Agents for CPC-30R Portland Cement Mortar
リュウゼツラン(Agave tequilana Weber)のバガス(テキーラ製造の副産物)から得られたセルロースナノクリスタル(CNC)を、ポルトランドセメントモルタルの補強材として利用する研究が行われた。硫酸(CNC S)または塩酸(CNC H)を用いた酸加水分解によりCNCを製造し、セメント質量比で様々な含有量(0.35 wt.% CNC S、0.5 wt.% CNC Hが最適)のモルタルを作製した。圧縮強度と曲げ強度を評価した結果、CNCの添加により両方の強度が増加した。SEM観察では、CNC含有モルタルは対照群と比較して微細な亀裂が少なく、界面遷移帯(ITZ)が狭いことが示された。熱重量分析(TGA)、走査型電子顕微鏡(SEM)、X線回折(XRD)、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)による分析では、CNCの添加がセメントの水和反応や水和相の組織化を変化させることが示唆された。この研究は、リュウゼツラン由来のCNCが、農業・工業廃棄物の付加価値化と同時に、ポルトランドセメントモルタル用の低用量補強添加剤として有望であることを示している。
- リュウゼツラン(Agave tequilana Weber)のバガス(テキーラ製造副産物)から硫酸または塩酸による酸加水分解でセルロースナノクリスタル(CNC)を製造
- セメント質量比で0.35 wt.% CNC S(硫酸系)、0.5 wt.% CNC H(塩酸系)が最適含有量とされ、圧縮強度と曲げ強度がいずれも増加
- SEM観察でCNC含有モルタルは対照群より微細な亀裂が少なく、界面遷移帯(ITZ)が狭いことを確認
- TGA・SEM・XRD・FTIR分析により、CNC添加がセメントの水和反応と水和相の組織化を変化させることが示唆された
- 農業・工業廃棄物の付加価値化と、ポルトランドセメントモルタル用の低用量補強添加剤としての有望性を示す成果
テキーラ製造副産物(リュウゼツランのバガス)から得たセルロースナノクリスタルをセメントモルタル補強材に使う研究。0.35wt%(硫酸加水分解)・0.5wt%(塩酸加水分解)という低添加量で圧縮・曲げ強度が向上し、ITZ(界面遷移帯)が狭くなるという物性評価は、建設資材向けの安価なバイオ由来添加剤の実用可能性を示す。ただし論文段階の実験室評価であり、事業化・量産コスト・規制/標準適合の情報はなく、現時点で直接的な投資対象には結びつきにくい点に留意。廃棄物由来素材の付加価値化という文脈は、セメント・建材メーカーやCNCサプライヤーのコスト構造改善オプションとして中長期に注目したい。