ガラス形成ネマトゲン混合物とフラーレンC60ナノコロイドにおけるクリティカルかつガラス状の二重性
Critical and Glassy Dualism in Glass-Forming E7 Nematogenic Mixture and Fullerene C60 Nanocolloids
E7液晶混合物とC60フラーレンナノ粒子を組み合わせたバルクナノコロイドにおける広帯域誘電分光法(BDS)の研究結果を報告する。約360Kの等方性液体(I)相からガラス転移温度Tg約220Kのネマチック(N)相まで、260の温度におけるBDSスペクトルを測定した。分析は、相転移前の臨界的特徴と複雑なガラス状ダイナミクスに焦点を当て、それらの相互作用と支配性を強調した。これは、I-N転移から90K下のネマチック相にも影響を与える相転移前の揺らぎに関連している。Tgに近づくと、誘電率と損失曲線最大値で検出される強いガラス化前変化がTg+30Kから現れる。緩和時間分布を表すパラメータでもT→Tgにおける臨界的挙動が観測された。長距離ネマチック相における3つの主要な緩和時間に対しては、新しいCritical and Activated方程式による最適な描写が示されている。並進運動と配向運動のカップリング/デカップリングの導出ベーステストは、I-N転移下およびTg上のF<1に関連する分数指数F<1による強いデカップリングを明らかにした。C60フラーレンナノ粒子による液晶分子の恒久的な「平行」配向は注目に値し、応用にとって重要である可能性がある。
- E7液晶混合物とC60フラーレンナノ粒子を組み合わせたバルクナノコロイドについて、約360Kの等方性液体相からガラス転移温度Tg約220Kのネマチック相まで260温度点で広帯域誘電分光(BDS)スペクトルを測定した研究結果が報告された。
- C60フラーレンナノ粒子が液晶分子を恒久的に「平行」配向させる効果が確認され、応用上重要になりうるとされている。
E7液晶とC60フラーレンナノ粒子を組み合わせたナノコロイドの誘電分光研究で、基礎物性の解明にとどまり企業の商用化・量産計画には触れていないため、直接の投資材料としては弱い。ただしC60による液晶分子の恒久的な「平行」配向という効果は、液晶ディスプレイや液晶系デバイスの配向制御プロセスを簡素化・高機能化しうる新材料知見であり、液晶材料・表示デバイス関連企業の技術優位性を測るうえで中長期の注目点になる。実用化には材料コストやスケールアップの検証が必要で、続報の有無を注視したい。