全動物表現型薬物スクリーニングによりアテローム性動脈硬化性リポタンパク質の抑制因子を特定
A whole-animal phenotypic drug screen identifies suppressors of atherogenic lipoproteins
アテローム性動脈硬化性リポタンパク質(B-lps)は脂質輸送に不可欠であり、そのレベルの上昇は心血管疾患の原因となる。研究チームは、ゼブラフィッシュを用いたin vivo化学発光レポーター(LipoGlo)を用いて、約3000化合物のスクリーニングを実施し、ApoB(B-lpsの構成要素)を低下させる49の候補物質を特定した。そのうち19が追加スクリーニングを通過し、7つが詳細な表現型解析を受けた。甘草由来成分のエノキソロンは、核内ホルモン受容体HNF4αの機能的対立遺伝子を持つ個体でのみB-lpsを有意に低下させ、HNF4α阻害剤も同様の効果を示した。この結果は、ゼブラフィッシュを用いた表現型スクリーニングプラットフォームが、世界的な死亡原因である心血管疾患に関与するB-lpsの低分子調節因子を特定する上で有効であることを示している。
- ゼブラフィッシュを用いたin vivo化学発光レポーター(LipoGlo)による約3000化合物のスクリーニングを実施し、ApoBを低下させる49の候補物質を特定した
- 甘草由来成分エノキソロンが核内ホルモン受容体HNF4αの機能的対立遺伝子を持つ個体でのみB-lpsを有意に低下させ、HNF4α阻害剤も同様の効果を示した
ゼブラフィッシュを用いたin vivo表現型スクリーニングにより、心血管疾患の主要リスク因子であるApoB含有リポタンパク質を低下させる低分子化合物が複数特定された。特に甘草由来のエノキソロンがHNF4α経路を介して作用することが示され、創薬ターゲットとしてのHNF4αの重要性が裏付けられた。心血管疾患は世界の主要死因であり、B-lpsを標的とした新規低分子の創薬パイプライン形成余地は大きく、バイオ創薬領域の投資テーマとして注目に値する。