妊娠糖尿病の細胞特異的遺伝子を特定するための単一細胞解像度での遺伝子型定量性状座位情報活用
Leveraging expression quantitative trait loci information in single-cell resolution to identify cell-specific genes for gestational diabetes
妊娠糖尿病(GDM)のリスク遺伝子座を特定するため、FinnGenのGWAS要約統計量(症例12,332人、対照131,109人)と、OneK1Kコホートの12種類の免疫細胞タイプにおける単一細胞発現量的形質座位(sc-eQTL)データを統合した。OTTERSフレームワークとACAT-Oオムニバス検定を用いて、単一細胞トランスクリプトームワイド関連研究(scTWAS)を実施し、GDM関連遺伝子を特定した。その結果、免疫細胞タイプ全体で14個の一意の遺伝子がGDMと有意に関連していることが検出された。特にERAP1とERAP2は12細胞タイプ中10タイプで関連を示し、RIOK2は共通の調節因子として浮上した。Gene Ontology解析では、「MHCクラスIを介した抗原処理と提示」がトップの濃縮経路として一貫して強調された。対照的に、GTEx全血を用いた従来のバルクTWASでは、名目上の関連を持つ2つの遺伝子しか同定されなかった。このsc-TWASは、バルク組織では検出されない細胞タイプ特異的なGDM関連遺伝子を特定し、末梢免疫細胞における抗原提示の調節不全を強調している。
本研究成果はバルク組織解析では捉えられない細胞タイプ特異的な妊娠糖尿病リスク遺伝子を特定した点で、単一細胞解像度の遺伝子解析技術の有用性を示す重要な学術的進歩である。しかし現時点では基礎研究レベルの発見であり、具体的な創薬パイプラインや診断薬の開発、企業との提携など投資判断に直結する事業イベントは含まれていない。バイオ分野の基礎研究として注目に値するが、短期的な投資機会にはつながらない。