透明で断熱性・柔軟性のあるSiO2エアロゲルの調製と特性
Preparation and Properties of Transparent, Thermally Insulating, and Flexible SiO2 Aerogels
本研究では、エネルギー効率の高い窓材として期待されるSiO2エアロゲルの光学特性、熱特性、機械的特性のバランスを改善するため、制御されたゾルゲル合成と常圧乾燥法を用いた。メチルトリメトキシシラン(MTMS)を単一シリコン源とし、アルカリ触媒の種類、水とMTMSの比率、界面活性剤の種類の影響を系統的に調査した。さらに、MTMSとジメチルジメトキシシラン(DMDMS)の複合シリコン源を開発した。テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH)触媒、水/MTMSモル比7:1、界面活性剤Pluronic F-127(F127)を用いた場合、93.50%の空隙率と800 nmで89.74%の透過率を持つ均一で疎水性のエアロゲルが得られた。最適化された複合系(MTMS:DMDMS = 9:1、水6 mL、F127 2.0 g)では、純MTMSエアロゲルと比較して圧縮強度が22.4%向上し、可視光透過率は70.15%、熱伝導率は0.027 W/(m·K)であった。これらの結果は、多パラメータによる組成制御が、機械的強度、光学透過性、断熱性の実用的なバランスを達成できることを示している。
- MTMSとDMDMSの複合シリコン源を用いたSiO2エアロゲルの合成に成功し、圧縮強度22.4%向上、可視光透過率70.15%、熱伝導率0.027 W/(m·K)を達成
本研究は、エネルギー効率の高い窓材として期待されるSiO2エアロゲルにおいて、光学透過性・断熱性・機械的強度の3要素を実用水準で両立する合成手法を提案している。特に、従来は脆弱だったエアロゲルの圧縮強度を22.4%向上させつつ、可視光透過率70.15%、熱伝導率0.027 W/(m·K)を達成した点は、ビル・住宅の省エネ材料としての実用化に一歩近づく成果といえる。投資家視点では、建材・化学メーカーによる量産技術の獲得や、ガラス業界での省エネ規制対応製品開発の動向と併せて注視したい。