生理的な発熱性熱ストレスは、マラリア原虫表面タンパク質の赤血球へのタンパク質輸送増加を通じて細胞接着性を高める
Physiological febrile heat stress increases cytoadhesion through increased protein trafficking of Plasmodium falciparum surface proteins into the red blood cell
マラリア原虫(Plasmodium falciparum)に感染した赤血球(iRBC)を、患者データに基づいた生理的な発熱性熱ストレス(39°C)に曝露すると、主要な病原因子であるPfEMP1のiRBC表面への輸送が増加し、細胞接着性が高まることが示された。この現象はPfEMP1だけでなく、4つの異なる地域由来の臨床分離株における栄養チャネルPSACにも見られた。タンパク質の発現量や寄生虫の発生段階に変化はない。リン酸化プロテオミクスと近接ラベリングにより、高温は赤血球への輸出タンパク質の輸送とリン酸化も増加させることが判明した。膜貫通ドメインの存在が輸出に必要であることが示唆された。発熱性温度はタンパク質のエクスポートを加速し、細胞接着性の増加は疾患の重症度に影響を与える可能性がある。
- 生理的な発熱性熱ストレス(39°C)がマラリア原虫感染赤血球表面へのPfEMP1輸送と細胞接着性を増加させるメカニズムを解明した研究が発表された
本論文は、マラリア原虫感染赤血球が生理的な発熱(39°C)に曝露されると、病原性因子PfEMP1の表面輸送が促進され、細胞接着性が高まるメカニズムを解明した基礎研究である。マラリアの重症化メカニズムの理解を深める重要な発見だが、現時点では創薬や診断などの具体的な応用や製品化には至っておらず、投資判断に直結する事業インパクトは限定的。ただし、マラリア治療薬やワクチン開発のラショナルデザインに寄与する可能性があり、中長期的な創薬ターゲット探索としての価値は認められる。