複数の双晶境界を持つコバルトフリーLiリッチMn系正極材料をNa助成ゾルゲル法で構築し、電気化学性能を向上
Multiple Twin Boundaries in Co-Free Li-Rich Mn-Based Cathodes Constructed by Na-Assisted Sol–Gel Synthesis for Enhanced Electrochemical Performance
コバルトフリーLiリッチMn系層状酸化物は、次世代リチウムイオン電池の正極材料として期待されているが、実用化には課題があった。本研究では、Na助成ゾルゲル法を用いて複数の双晶境界を持つコバルトフリーLiリッチMn系正極材料を構築した。最適化されたサンプル(Li1.13Na0.06Mn0.594Ni0.219O2、SG-TB)は、結晶欠陥工学によりバルク結晶骨格を制御する戦略を採用している。SG-TBは、初期クーロン効率96%、初期放電容量256 mAh/g、5Cでの放電容量167 mAh/g、1Cで200サイクル後の容量維持率77%を達成した。複数の双晶境界は、電気化学的分極の低減、Li+拡散速度の向上、サイクル中の構造安定性の改善に寄与する。
- 研究グループがNa助成ゾルゲル法を用いて複数の双晶境界を持つコバルトフリーLiリッチMn系正極材料(SG-TB)を開発した
本研究はコバルトフリーかつ高エネルギー密度なLiリッチMn系正極材料の性能向上に成功しており、次世代リチウムイオン電池の低コスト化・高性能化に寄与する可能性がある。特に初期クーロン効率96%、5Cで167 mAh/gのレート性能など具体的な数値目標を達成している点は注目に値する。ただし、ラボスケールの研究成果であり、量産性や実用化時期は不透明なため、長期的な技術トレンドの1つとして位置づけるのが妥当である。