パルス放電アトマイザーとボールミル処理による、変形誘起ナノスケール不均一性を持つFe系アモルファス微細フレークの広帯域マイクロ波吸収材としての作製
Fe-Based Amorphous Microflakes with Deformation-Induced Nanoscale Heterogeneity Prepared by Pulse-Discharge Atomization and Ball Milling for Broadband Microwave Absorption
Fe85P9C2B2Si2アモルファス粉末をパルス放電アトマイザーで製造し、その後、湿式ボールミル処理により高アスペクト比の微細フレークと、局所的なナノ結晶構造を持つ約5nmのバンド状不均一領域を生成した。このFe系アモルファス微細フレークは、従来の球状粉末と比較して誘電応答と磁気応答が強化された。厚さ1.7mm、周波数16.9GHzにおいて、減衰定数は235.9m−1、正規化入力インピーダンスは0.999となり、理想的なインピーダンスマッチングと強い減衰が両立した。これにより、厚さ1.85mmで反射損失-53.5dB、実効吸収帯域幅6.2GHz(11.8~18.0GHz)を達成した。この性能向上は、高アスペクト比の形態が主因であり、局所的なアモルファス/ナノ結晶不均一性が寄与している可能性がある。
- Fe85P9C2B2Si2アモルファス粉末をパルス放電アトマイザーで製造し、湿式ボールミル処理で高アスペクト比の微細フレークと約5nmの局所ナノ結晶を伴うバンド状不均一領域を形成した
- 厚さ1.85mmで反射損失-53.5dB、実効吸収帯域幅6.2GHz(11.8~18.0GHz)を達成し、球状粉末より誘電・磁気応答が強化された
- 16.9GHz・厚さ1.7mmで減衰定数235.9m−1、正規化入力インピーダンス0.999となり、インピーダンスマッチングと強い減衰を両立した
- 性能向上は高アスペクト比の形態が主因で、局所的なアモルファス/ナノ結晶不均一性が寄与している可能性がある
Fe系アモルファス微細フレークが厚さ1.85mmで反射損失-53.5dB、実効吸収帯域幅6.2GHzという広帯域マイクロ波吸収特性を示した点は、電磁ノイズ対策(EMI)や5G/6G通信機器、レーダー・衛星向けの次世代電波吸収材の候補として注目できる。パルス放電アトマイザーと湿式ボールミルという比較的量産に親和性の高いプロセスで高アスペクト比フレークと約5nmのアモルファス/ナノ結晶不均一構造を形成している点は、材料メーカーの製造コスト・スケールアップ余地を測る上で重要。ただし本件は学術論文レベルの材料特性報告であり、特定企業の量産計画や調達契約といった投資判断に直結する事象は含まれないため、実用化・供給体制の続報待ちという位置づけになる。