洋上風力MMC-HVDCシステムにおける故障貫通性能向上のための高度な二重エネルギー制御とエネルギー散逸戦略
An Advanced Dual Energy Control with Energy Dissipation Strategy to Enhance Fault Ride-Through in Offshore Wind MMC-HVDC Systems
洋上風力発電所(OWF)の統合に有望な技術であるモジュラ型マルチレベルコンバータ(MMC)ベースの高電圧直流送電(MMC-HVDC)システムは、陸上交流(AC)系統の故障やそれに伴う直流リンク電圧の急上昇により信頼性が課題となっていた。本論文では、OWF MMC-HVDCシステムにおけるAC故障貫通(FRT)性能を向上させるための、二重エネルギー制御とエネルギー散逸方式(DEC-EDS)を提案する。提案手法は、陸上AC故障時にMMCハーフブリッジサブモジュール(SM)コンデンサの短期的過負荷容量を活用して余剰電力を一部蓄積し、さらに過剰な電力は直流エネルギー散逸装置(EDD)に散逸させる。故障時には、MMC SMコンデンサとDC EDDが並列に動作し、コンデンサが一時的なバッファリングを提供し、EDDが余剰電力を散逸させることで、余剰エネルギーを管理する。提案手法は±320 kV/420 MWのMMC-HVDCシステムでテストされ、直流リンク電圧を効果的に維持し、OWFの接続を保証することが示された。
- 洋上風力発電所(OWF)統合用のMMC-HVDCシステムで、陸上AC系統故障時の故障貫通(FRT)性能を高める二重エネルギー制御・エネルギー散逸方式(DEC-EDS)を提案
- 陸上AC故障時にMMCハーフブリッジサブモジュール(SM)コンデンサの短期的過負荷容量で余剰電力を蓄積し、過剰分は直流エネルギー散逸装置(EDD)で散逸する構成
- ±320 kV/420 MWのMMC-HVDCシステムでのテストで、直流リンク電圧を維持しOWFの接続を保証できることを確認
洋上風力の系統連系インフラであるMMC-HVDCの信頼性課題に対する学術的な制御手法提案であり、事業化・調達・規制といった具体的な事象は含まれない。ただし洋上風力の大量導入には送電側の故障貫通(FRT)性能が必須要件となるため、こうした制御技術の実証が進めば送電インフラ関連の機器・EPC事業者の競争環境に影響し得る点を中長期で注視したい。短期の投資判断材料としては乏しい。