血液培養陽性検体からの病原菌迅速同定および薬剤感受性試験
Rapid identification and antimicrobial susceptibility testing of pathogenic microorganisms from positive blood cultures
血液培養陽性検体からの病原菌迅速同定(ID)および薬剤感受性試験(AST)の実現可能性を評価する研究が行われた。陽性血液培養(BC)ブロスを分離ゲル真空採血管に移し、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF MS)で病原菌同定を行った。グラム陰性菌(GNB)の同定一致率(ICR)は74.6%、グラム陽性菌(GPB)は37.2%、真菌は14.3%であった。細菌膜迅速AST(BMR-AST)では、GNBで96.8%、グラム陽性球菌(GPC)で97.7%のカテゴリー一致率(CA)が得られた。陽性血液培養培地迅速AST(PBCMR-AST)では、Enterobacteralesで94.1%のCA、GNBとGPC全体で94.7%のCAが達成された。この迅速IDワークフローはGNBには有効であったが、GPBと真菌には最適ではなかった。両方の迅速ASTは、GNBとGPCの両方で標準法と高い一致率を示した。これらのアプローチは、陽性BCのターンアラウンドタイムを大幅に短縮し、BSIの早期管理に有望な臨床的価値を持つ可能性がある。
- 陽性血液培養ブロスを分離ゲル真空採血管へ移し、MALDI-TOF MSで病原菌同定を行う迅速IDワークフローが評価され、同定一致率はグラム陰性菌74.6%、グラム陽性菌37.2%、真菌14.3%だった。
- 細菌膜迅速AST(BMR-AST)はカテゴリー一致率96.8%(GNB)、97.7%(グラム陽性球菌)を達成した。
- 陽性血液培養培地迅速AST(PBCMR-AST)はEnterobacteralesで94.1%、GNBとGPC全体で94.7%のカテゴリー一致率を示した。
- 迅速IDはグラム陰性菌には有効だがグラム陽性菌と真菌には最適ではなく、両迅速ASTは標準法と高い一致率を示し、陽性血液培養のターンアラウンドタイム短縮と血流感染症(BSI)早期管理への臨床的価値が示唆された。
血液培養陽性検体からの病原菌同定と薬剤感受性試験を数時間規模に短縮しうる臨床検査ワークフローの評価研究。GNBでは同定一致率74.6%・カテゴリー一致率96.8%と実用域に近い一方、グラム陽性菌37.2%・真菌14.3%と課題が残り、適応範囲が限定的である点が投資判断上のポイント。MALDI-TOF MS既存装置と分離ゲル真空採血管という汎用資材の組み合わせで成立するため、専用装置ベンダーより検査ラボ向け消耗品・試薬・ワークフロー自動化の導入余地が読みやすい。敗血症(BSI)早期管理は抗菌薬適正使用(AMR対策)と在院日数短縮に直結し、医療機関のコスト削減インセンティブが働くため、採算性の高いニッチとして注目する。