ポリエチレンテレフタレート(PMMA)複合材料の低速衝撃性能に関する研究
Low-Velocity Impact Performance of Triax Glass Fabric Reinforced Poly(methyl methacrylate) Composites
海洋構造物や保護構造物に使用される複合材料の耐衝撃性は重要である。本研究では、リサイクル可能な三軸ガラス繊維強化PMMA(Triax-GF/PMMA)積層板を製造し、低速落下重量衝撃試験(15~120 J)と衝撃後圧縮(CAI)試験を実施した。50 Jの衝撃条件下では、Triax-GF/PMMAの残存圧縮強度は131.5 MPaに達し、エポキシ系(119.8 MPa)と比較して約9.8%高かった。また、Triax-GF/PMMAのピーク衝撃荷重は11.84 kNに増加し、エポキシ系(9.98 kN)よりも衝撃荷重支持能力が向上したことが示された。実験結果で検証されたABAQUS/Explicit有限要素モデルは、予測ピーク荷重の相対誤差を8%未満に維持した。30 J(非貫通)および120 J(貫通)でのシミュレーションでは、Triax-GF/PMMAの変形がより穏やかで損傷が軽微であることが示された。積層板の厚さと貫通エネルギーを結びつける予測モデルも提案された。本研究は、海洋用途向けの軽量でリサイクル可能、耐衝撃性に優れた複合材料の開発に実験的および数値的サポートを提供する。
- リサイクル可能な三軸ガラス繊維強化PMMA(Triax-GF/PMMA)積層板を製造し、15~120 Jの低速落下重量衝撃試験と衝撃後圧縮(CAI)試験を実施した
- 50 J衝撃条件下でTriax-GF/PMMAの残存圧縮強度は131.5 MPaに達し、エポキシ系(119.8 MPa)より約9.8%高かった
- Triax-GF/PMMAのピーク衝撃荷重は11.84 kNで、エポキシ系(9.98 kN)より衝撃荷重支持能力が向上した
- 実験で検証されたABAQUS/Explicit有限要素モデルは予測ピーク荷重の相対誤差を8%未満に維持し、30 J(非貫通)および120 J(貫通)のシミュレーションでもTriax-GF/PMMAの損傷が軽微であることを示した
- 積層板の厚さと貫通エネルギーを結びつける予測モデルを提案し、海洋用途向けの軽量・リサイクル可能・耐衝撃性複合材料の開発に実験的・数値的サポートを提供した
リサイクル可能な熱可塑性PMMA樹脂をガラス繊維で強化した複合材料が、海洋・保護構造物用途でエポキシ系を上回る耐衝撃性能を示した点は注目に値する。特に50J衝撃後の残存圧縮強度が131.5MPaとエポキシ比約9.8%高く、ピーク荷重も11.84kN対9.98kNと支持能力が向上しており、熱可塑性複合材のリサイクル性と性能を両立できる可能性を示す。ただし本件は学術論文の実験・数値解析段階であり、企業の量産化計画や採用決定ではなく、投資判断に直結する事象は限定的。実用化にはコスト・成形性・長期耐久性の検証が必要で、素材メーカーや海洋構造物向け複合材サプライヤーの動向を注視したい。