廃タイヤゴム骨材のコンクリートの作業性、機械的特性、ゴム・ペースト界面への影響:SEM/EDX研究
Influence of Fine and Coarse Waste Tyre Rubber Aggregates on the Workability, Mechanical Properties and Rubber–Paste Interface of Concrete: An SEM/EDX Study
本研究では、細粒ゴム(2.5-5mm)と粗粒ゴム(5-20mm)をそれぞれ10%から50%まで体積置換した11種類のコンクリート混合物を評価した。セメント量は400kg/m3、水セメント比は0.45に維持された。作業性、硬化密度、28日圧縮強度および曲げ強度をモロッコ規格(NM)および欧州規格(EN)に準拠して測定した。6つの混合物についてSEM/EDXマイクロ分析を実施し、ゴム・ペースト界面遷移帯(ITZ)を特性評価した。圧縮強度は、細粒ゴム10%置換で8.5%、粗粒ゴム50%置換で81.8%減少し、粗粒ゴムは常に強度低下が大きかった。ゴム化混合物のペースト側フィールドでは、Ca/Si比が基準値1.24を上回り、最大8.09に達し、疎水性ゴム表面へのポルトランド石の蓄積を示唆した。加硫中に導入された硫黄と亜鉛は、これらの領域がセメントペーストではなくゴムであることを確認した。破壊表面における剥離帯の幅は10-25μmから100-200μmに増加し、粒子サイズと相関しており、界面総面積ではなく欠陥サイズ効果と一致した。28日機械的性能に基づく混合物選択の予備的指針を提案する。
- 細粒ゴム(2.5-5mm)・粗粒ゴム(5-20mm)を体積比10-50%置換した11種類のコンクリートを、セメント量400kg/m3・水セメント比0.45で評価
- 28日圧縮強度は細粒ゴム10%置換で8.5%減、粗粒ゴム50%置換で81.8%減となり、粗粒ゴムの方が強度低下が大きい
- SEM/EDX分析でゴム化混合物のペースト側Ca/Si比が基準値1.24を上回り最大8.09に達し、疎水性ゴム表面へのポルトランド石蓄積を示唆
- 破壊表面の剥離帯幅が10-25μmから100-200μmに拡大し、粒子サイズと相関。界面総面積ではなく欠陥サイズ効果と整合
- 加硫由来の硫黄と亜鉛の検出により、該当領域がセメントペーストではなくゴムであることを確認
廃タイヤ由来ゴム骨材をコンクリートに体積置換する研究で、細粒ゴム10%で圧縮強度8.5%減、粗粒ゴム50%で81.8%減という定量的な性能劣化データと、Ca/Si比が基準1.24から最大8.09まで上昇するITZ(界面遷移帯)のSEM/EDX分析を提示している。廃タイヤリサイクルと建設資材の脱炭素・資源循環は規制強化で需要が伸びる領域だが、強度低下と界面剥離帯が10-25μmから100-200μmへ拡大する欠陥サイズ効果を示しており、構造材ではなく非構造材用途に限定した配合設計が事業化の鍵になる。廃タイヤ処理・リサイクル企業やセメント/生コン各社の製品ポートフォリオ判断に資する基礎データであり、実用化には規格適合(EN/NM)とコスト競争力の検証が次の論点になる。