コバルト添加によるIn2O3の菱面体晶相から立方晶相への比率制御とその水素センサー応答への影響
Controlling the Ratio of Rhombohedral to Cubic Phases of In2O3 by Cobalt Doping and Its Effect on Sensor Response to Hydrogen
コバルトを0.01~0.25 at.%添加した二相酸化インジウムナノコンポジットの構造およびセンサー特性を、水熱合成法を用いて調査した。コバルト濃度が0.1 at.%までは菱面体晶から立方晶への相転移を促進し、0.1 at.%を超えると不安定な酸化インジウムの準安定相が安定化することが示された。添加により粒子径は減少し、比表面積と細孔率が増加した。コバルト濃度0.025 at.%のサンプルで最大のセンサー応答を示し、これは空孔形成による相転移に起因すると考えられる。コバルト濃度を上げると、センサー信号は急激に減少し、最適な動作温度も低下した。
- コバルトを0.01~0.25 at.%添加した二相酸化インジウム(In2O3)ナノコンポジットを水熱合成法で作製し、構造と水素センサー特性を調査した。
- コバルト濃度0.1 at.%までは菱面体晶から立方晶への相転移を促進し、0.1 at.%超では酸化インジウムの準安定相が安定化することを示した。
- コバルト添加により粒子径が減少し、比表面積と細孔率が増加した。
- コバルト濃度0.025 at.%のサンプルが最大のセンサー応答を示し、これは空孔形成による相転移に起因すると考えられる。
- コバルト濃度を上げるとセンサー信号は急激に減少し、最適動作温度も低下した。
酸化インジウムにコバルトを微量添加するだけで相転移比率を制御し、水素センサー応答を最適化できるという材料設計の知見。水素センサーは水素社会・燃料電池・産業安全のインフラで需要が伸びる領域であり、0.025 at.%という極微量ドーピングで最大応答という結果は、触媒コストや希少金属使用量を抑えた高性能センサーの実現可能性を示す。ただし本件は水熱合成による学術的な材料研究段階で、企業の量産・採用決定には言及がなく、投資判断には材料メーカーやセンサーメーカーへの実装・スケールアップ動向の追跡が必要。