ナノコンポジット溶融紡績MnAl(Ga)合金の顕著な磁気特性と熱分析
Remarkable Magnetic Performances and Thermal Analysis of Nanocomposite Melt-Spun MnAl(Ga) Alloys
レアアースフリー磁石は、再生可能エネルギー、スマートシティにおけるe-モビリティ(電動自転車、スクーター)、自動運転車などの分野で応用が期待されている。特に、τ-MnAl相を持つナノコンポジット磁性合金は、高い動作温度での利用可能性から注目されている。本研究では、4原子%のGaを添加した非等原子MnAl系合金におけるτ-MnAl相の熱安定性と最適化された磁気特性を明らかにする。示差走査熱量測定(DSC)とFriedman法およびOzawa–Flynn–Wall法による速度論解析、X線回折(XRD)およびMAUD解析による構造解析を実施した。結果として、鋳造状態ではε相が優位であったが、焼鈍によりτ相が優位に転換することが示された。磁気測定により、この相転換により、室温で約210 kA/mの良好な残留磁束密度と約446 kA/mの大きな保磁力が達成されることが示された。
- 4原子%のGaを添加した非等原子MnAl系合金において、τ-MnAl相の熱安定性と最適化された磁気特性が明らかになった。
- 鋳造状態ではε相が優位だが、焼鈍によりτ相が優位に転換することがX線回折(XRD)およびMAUD解析で示された。
- 磁気測定により、ε→τ相転換を経て室温で約210 kA/mの残留磁束密度と約446 kA/mの大きな保磁力が達成された。
- 示差走査熱量測定(DSC)とFriedman法・Ozawa–Flynn–Wall法による速度論解析が実施された。
レアアースフリー磁石(τ-MnAl系)の実用化に向けた材料科学的な前進。Gaを4原子%添加したMnAl合金で、焼鈍によるε→τ相転換を経て室温で残留磁束密度約210 kA/m、保磁力約446 kA/mを達成した点は、NdFeB系磁石に依存しないモータ・e-モビリティ向けサプライチェーンの構想にとって意味がある。ただし本件はDSC/XRDによる基礎研究段階の成果であり、量産プロセスや磁石メーカーの採用動向には直結しない。投資判断としては、レアアース価格・輸出規制リスクの低減につながる候補技術として、マンガン・アルミ系磁石を手掛ける企業や研究機関の動向を中長期でモニタリングする材料と位置づけたい。