磁気-機械的カップリングによる多結晶NiMnGaCo合金の弾性熱量効果の相乗的改善
Synergic Improvement of Elastocaloric Effect in Polycrystalline NiMnGaCo by Magneto-Mechanical Coupling
強磁性形状記憶合金(SMA)の一種であるNi43Mn31Ga19Co7(at%)合金は、磁気熱量効果(MCE)の有望な材料として知られています。本研究では、弾性熱量効果(ECE)と磁気熱量効果(MCE)のカップリングによるマルチ効果の実現を目指し、低磁場(μ0H = 0.26 Tおよび0.56 T)を印加しながら弾性熱量変形試験を実施しました。その結果、通常MCEで考慮される値よりもはるかに低い磁場であっても、磁場印加がECEを改善し、総ひずみを増加させ、臨界応力と機械的ヒステリシスを低減することが明らかになりました。この相乗効果により、負荷時とアンロード時それぞれで約13%と25%の断熱温度変化(ΔTad)の増加が得られました。
- Ni43Mn31Ga19Co7(at%) 合金で弾性熱量変形試験を実施し、ECE と MCE のカップリングによるマルチ熱量効果を実現した
- 0.26 T および 0.56 T という低磁場の印加で ECE が改善し、総ひずみが増加、臨界応力と機械的ヒステリシスが低減した
- 負荷時で約13%、アンロード時で約25%の断熱温度変化 ΔTad の増加を確認した
強磁性形状記憶合金 Ni43Mn31Ga19Co7 の弾性熱量効果と磁気熱量効果を弱磁場で相乗的に高めた研究成果。0.26〜0.56 T という実用磁石で得られる低磁場で断熱温度変化が13〜25%改善し、臨界応力と機械的ヒステリシスも低減した点は、磁気冷凍・固体熱管理デバイスの設計自由度と省エネ性能を左右する要素。まだ実験室段階の材料研究であり直接の投資対象は見当たらないが、磁気冷凍の実装コストを下げる方向の進展として、磁性材料・冷凍空調関連の技術ロードマップを追う材料になる。