幼魚ゼブラフィッシュのための適用可能で効率的な逆行性単シナプス回路マッピングツール
An applicable and efficient retrograde monosynaptic circuit mapping tool for larval zebrafish
幼魚ゼブラフィッシュの神経回路追跡は困難であったが、EnvA偽型糖タンパク質欠損狂犬病ウイルスを用いた逆行性単シナプス追跡手法が開発された。CVS株とN2cGの発現を36°Cで組み合わせることで、開始細胞あたり最大20個の入力を追跡する効率が得られた。この手法は、感染後10日間の神経細胞の生存性ラベル付けとカルシウムイメージングを可能にし、機能的検査に用いられる幼魚期間をカバーする。Cre依存性ラベル付けにより、細胞型特異的な入力追跡と回路再構築が可能となり、小脳回路のマッピングや顆粒細胞からプルキンエ細胞への接続における同側性およびサブタイプ特異性が明らかになった。
- EnvA偽型糖タンパク質欠損狂犬病ウイルス(CVS株)とN2cGを36°Cで組み合わせる逆行性単シナプス追跡手法を開発し、開始細胞あたり最大20個の入力を追跡する効率を実現した。
- 感染後10日間にわたり神経細胞の生存性ラベル付けとカルシウムイメージングが可能となり、幼魚期間を通じた機能的検査をカバーする。
- Cre依存性ラベル付けにより細胞型特異的な入力追跡と回路再構築が可能となり、小脳回路のマッピングや顆粒細胞からプルキンエ細胞への接続における同側性・サブタイプ特異性を明らかにした。
- 対象は幼魚ゼブラフィッシュであり、神経回路追跡が従来困難だったモデル生物での適用を可能にした。
ゼブラフィッシュ幼魚で逆行性単シナプス回路トレーシングを高効率化した研究で、脳回路の接続マップを生きたまま機能計測まで一貫して行える点が注目される。神経科学向けの研究基盤技術だが、こうした回路マッピング技術は創薬標的の探索や神経疾患モデル評価の精度向上に波及しうる。当面はアカデミア主導の手法であり、直接の収益事業ではないため投資判断への影響は限定的で、創薬AI・神経モダリティ企業への技術供与やライセンス化の動きが出るかが着眼点。