ルテニウム酸化物シード電極上に成長させたルチル型TiO2 MIMキャパシタにおけるプラズマ励起モードの効果
Effect of Plasma Excitation Mode on Rutile TiO2 MIM Capacitors Grown on RuO2 Seed Electrodes
次世代DRAMのスケーリングには、低リーク電流と高静電容量密度の両立が不可欠である。ルチル型TiO2は有望な高誘電率材料だが、バンドギャップが狭いためリーク電流が高く、超薄膜での欠陥フリー安定化が課題となっている。本研究では、RuO2ボトム電極上にTiO2を直接プラズマ原子層堆積(DP-ALD)またはリモートプラズマ原子層堆積(RP-ALD)で成長させ、酸素欠陥を低減するためにO2中で急速熱アニーリングを行ったRuO2/TiO2/Ru MIMキャパシタを作製した。どちらのプラズマモードでもルチル型TiO2は結晶性の高いRuO2上に直接堆積され、RuO2の結晶性がTiO2の相進化を支配することを示唆した。RP-ALD膜はRuO2の結晶粒形態を再現し、DP-ALD膜よりも高い粗さを示した。さらに、RP-ALD膜は酸素欠損密度が低く、化学量論的安定性が向上した。RP-ALD作製キャパシタは、DP-ALD作製キャパシタ(約97、約1.41×10−4 A/cm2)と比較して、0.8Vで高い誘電率(約100)と低いリーク電流密度(約1.76×10−6 A/cm2)を示した。DP-ALD中のイオン衝突が酸素欠損関連の欠陥形成を促進した可能性があり、RP-ALDはこのような損傷を軽減し、リーク特性を改善した。本研究は、次世代DRAMにおけるRP-ALDベースのRuO2/TiO2/Ru MIMキャパシタの可能性を強調するものである。
- RuO2ボトム電極上にDP-ALDまたはRP-ALDでTiO2を成長させ、O2中で急速熱アニーリングを施したRuO2/TiO2/Ru MIMキャパシタを作製した研究。
- RP-ALD膜は酸素欠損密度が低く化学量論的安定性が向上し、DP-ALD膜より高い粗さでRuO2の結晶粒形態を再現、RuO2の結晶性がTiO2の相進化(ルチル型)を支配することが示唆された。
- RP-ALD作製キャパシタは0.8Vで誘電率約100・リーク電流密度約1.76×10−6 A/cm2を示し、DP-ALD作製品(誘電率約97、リーク電流密度約1.41×10−4 A/cm2)よりリーク特性が改善した。
- DP-ALD中のイオン衝突が酸素欠損関連の欠陥形成を促進した可能性があり、RP-ALDはこの損傷を軽減すると結論づけ、次世代DRAM向けの可能性を強調した。
次世代DRAMの微細化は「高誘電率かつ低リーク」という相反する要求を満たす新材料・成膜プロセスに依存しており、本研究は材料そのものより成膜モード(DP-ALD vs RP-ALD)の選択がリーク電流を約2桁改善しうることを示した点が実務的だ。RuO2ボトム電極上のルチル型TiO2という具体的な膜スタックで、0.8V時に誘電率約100・リーク電流密度約1.76×10−6 A/cm2という数値が得られており、DRAMキャパシタのリーク・容量トレードオフ改善の現実的な解になり得る。投資家としては、ALD成膜装置・前駆体・高誘電率材料を供給する装置/材料メーカーへの波及、およびDRAM各社のキャパシタ工程採用動向を追跡すべき。ただし本件は研究室レベルの膜物性評価であり、量産プロセスへのスケールアップや歩留まり、3D構造への適合性が実証されるまでは時間軸が長い点は留意したい。