AMD GPU上でCUDAアプリケーションをWindowsで実行可能にするZLUDAとROCm/HIPの統合スタック
CUDA for AMD on Windows
AMD GPU上でCUDAターゲットのWindowsアプリケーションを実行するための再現可能なスタックが公開されました。これはZLUDAとAMD HIP/ROCmを組み合わせたもので、特にCUDA対応の計算アプリケーションやCUDA対応LibTorchワークロードを対象としています。現在、AMD Radeon RX 9060 XT (gfx1200) のみが検証済みハードウェアですが、他のAMD GPUも候補となります。公開されているアップストリームパスでは、ZLUDA v6-preview.69、AMD HIP SDK 6.4、LibTorch 2.3.0 + cu118を使用し、nvcuda、cuBLAS、cuBLASLt、cuSPARSE、cuFFTの互換性が確認されています。また、2,216,347パラメータのPPOネットワークを用いたフォワード/推論、学習、オプティマイザの動作も確認されました。ただし、全てのCUDAプログラムやAIモデルが動作するわけではなく、CUDA API/ライブラリのカバレッジはワークロードに依存します。インストールにはAMD GPUドライバとAMD HIP SDK for Windowsが必要です。プロジェクトは、インストール、診断、GPUスキャン、ランタイムテスト用のスクリプトを提供しています。cuDNN/MIOpenは検証済みの安定版HIP SDKには含まれていませんが、Dense/GEMM-heavyなLibTorchトレーニングでは必須ではないことが示されています。公開アップストリームパスは、カスタムオーバーレイよりも約3.03%高速であることがテストで示されました。
- AMD GPU上でCUDAターゲットのWindowsアプリを実行する再現可能なスタック(ZLUDA + AMD HIP/ROCm)が公開された
- 検証済みハードウェアはAMD Radeon RX 9060 XT (gfx1200) のみ
- アップストリームパスはZLUDA v6-preview.69、AMD HIP SDK 6.4、LibTorch 2.3.0 + cu118を使用し、nvcuda、cuBLAS、cuBLASLt、cuSPARSE、cuFFTの互換性を確認
- 2,216,347パラメータのPPOネットワークでフォワード/推論、学習、オプティマイザの動作を確認
- cuDNN/MIOpenは検証済み安定版HIP SDKに含まれず、Dense/GEMM中心のLibTorchトレーニングでは必須ではないことが示された
- 公開アップストリームパスはカスタムオーバーレイ比で約3.03%高速とテストで示された
AMD GPU上でCUDA資産を動かす再現可能なスタックが公開された点は、NVIDIAのCUDAエコシステムのロックインを崩し得る意味で重要。検証済み環境がRX 9060 XT (gfx1200) に限られ、カバレッジもワークロード依存という制約はあるが、cuBLAS/cuSPARSE/cuFFTなどの主要ライブラリ互換とPPOネットワーク規模での学習・推論動作まで確認されたことで、AMDのAI/計算向けソフトウェア障壁が実務レベルで下がりつつあることが示唆される。ただし本件は現時点で学術的・コミュニティ的なオープンソース成果であり、AMDやNVIDIAの業績・資本配分に直接影響する発表ではないため、投資判断では今後のベンダー公式採用や対応GPU拡大の動きを追う必要がある。