ワイヤレスシステム向けコンパクト高効率三帯CPW給電ミリ波誘電パッチアンテナの提案
A Compact High-Efficiency Tri-Band CPW-Fed Millimeter-Wave Dielectric Patch Antenna for Wireless Systems
本稿では、5Gおよびそれ以降のワイヤレス通信システム向けに、低背の三帯ミリ波誘電パッチ(DP)アンテナ(DPA)を提案する。約22GHz、30GHz、36GHzのTM11、TM31、TM51モードを励振することでマルチバンド動作を実現する。22GHz帯は固定短距離マイクロ波バックホールリンク、30GHz帯は5G NR n257/n258帯域、36GHz帯は早期5G NR n260帯域およびレーダー・センシング用途に対応する。共平面導波路(CPW)給電構造により3つのモードを励振する。試作品の測定結果はシミュレーションと比較され、インピーダンス帯域幅は22GHz帯で4.57%、30GHz帯で4.24%、36GHz帯で2.75%を示した。また、シミュレーションによる放射効率はそれぞれ93%、95%、95%であり、測定されたピーク実効利得は22GHzで8.3dBi、30GHzで5.2dBi、36GHzで4.3dBiであった。このアンテナは、三帯カバレッジ、低背、高効率を単一のコンパクトな放射素子に統合しており、現代のコンパクトなマルチバンドミリ波ワイヤレスシステムインフラストラクチャに有望な候補となる。
- 5G以降の無線通信向けに、低背の三帯ミリ波誘電パッチ(DP)アンテナを提案し、約22GHz・30GHz・36GHzでTM11/TM31/TM51モードを励振してマルチバンド動作を実現
- 22GHz帯は固定短距離マイクロ波バックホール、30GHz帯は5G NR n257/n258、36GHz帯は5G NR n260およびレーダー・センシングに対応
- 共平面導波路(CPW)給電構造で3モードを励振し、試作測定でインピーダンス帯域幅は22GHz帯4.57%、30GHz帯4.24%、36GHz帯2.75%を確認
- シミュレーション放射効率は93%/95%/95%、測定ピーク実効利得は22GHzで8.3dBi、30GHzで5.2dBi、36GHzで4.3dBi
学術論文レベルのアンテナ素子提案であり、特定企業の製品化や調達の発表ではないため直接の投資対象にはなりにくい。ただし5G NR n257/n258/n260帯とレーダー・センシングを単一の低背素子でカバーし、放射効率93〜95%・実効利得8.3/5.2/4.3dBiを達成した点は、ミリ波基地局・バックホール機器の小型化・部材コスト低減につながる要素技術として注目。ミリ波インフラの素子・材料サプライヤー動向を追う上での技術シグナルとして押さえておきたい。