2~18 GHzマルチスペクトルSARのデモンストレーション
Demonstration of a 2–18 GHz Multispectral SAR
本論文では、2~18 GHzの超広帯域をカバーする極性、周波数変調連続波(FMCW)合成開口レーダー(SAR)について述べている。これはSKuSARと呼ばれる空中センサーとして開発されており、サブバンド画像を生成することでマルチスペクトルSARを作成することを目的としている。これにより、システムの3オクターブ帯域幅にわたって発生するシーンの偏光/周波数応答の変化を利用する新しいリモートセンシングアルゴリズムの可能性が開かれる。SKuSARのハードウェアと、マルチスペクトルSARを作成するためにFMCWデータに適用される処理手順について説明する。このアプローチは、トラックに搭載されたシステムを使用して、野外に展開されたキャリブレーションターゲットに対して収集されたデータを用いて実証されている。この地上ベースの構成は、システムハードウェアと処理アルゴリズムをテストおよび微調整するための安価なソリューションを提供した。地上ベースのジオメトリに特有の、地上反射によるマルチパス信号汚染や、方位分解能に影響を与える短いデータ収集などの複雑な要因がいくつかあったが、これらは特定され分析された。測定された特性は理論的予測とよく一致しており、言及された制限要因が欠如または重要性が低下すれば、システムは空中での期待される公称性能を満たすという信頼性が得られる。
- 2〜18GHzの3オクターブをカバーするFMCW合成開口レーダー「SKuSAR」が開発され、サブバンド画像を組み合わせたマルチスペクトルSARを生成する方式が示された
- 超広帯域で生じる偏波/周波数応答の変化を利用した新しいリモートセンシングアルゴリズムの可能性が開かれるとしている
- トラック搭載システムで野外展開のキャリブレーションターゲットに対しデータを収集し、地上ベース構成でハードウェアと処理アルゴリズムを低コストに検証した
- 地上反射によるマルチパス汚染や方位分解能に影響する短いデータ収集時間などの制約要因を特定・分析した
- 測定特性は理論予測とよく一致しており、制限要因が解消されれば空中運用で期待される公称性能を満たすとの信頼性が得られた
本件は2〜18GHzの3オクターブを単一センサーでカバーするFMCW合成開口レーダー(SAR)「SKuSAR」の研究成果で、マルチスペクトルSARによる新たなリモートセンシングアルゴリズムの可能性を示す。注目点は、(1) 観測衛星・航空機SARの価値は帯域幅と周波数アジリティで決まるため、超広帯域化は画像情報量(偏波/周波数応答)を飛躍的に増やし、防衛・資源探査・農業・災害監視の解析市場を拡大しうる、(2) トラック搭載の地上試験でキャリブレーションターゲットに対し理論予測と実測が一致した点は、機載(航空機・UAV・衛星)展開への移行リスクを下げる検証ステップであり、SARペイロード/フロントエンド部材や解析ソフトへの投資判断材料になる、(3) 一方で現段階は地上実証で、地上マルチパスや短時間収集による方位分解能劣化などの制約が残り、商用・運用段階の性能は未確認。SAR/リモートセンシング関連企業・防衛宇宙予算・広帯域RF半導体の動向と併せて追跡したい。