ショウジョウバエの原地グリア細胞表面プロテオミクスが長寿関連因子を特定
In-situ glial cell-surface proteomics identifies pro-longevity factors in Drosophila
グリア細胞の機能不全が高齢化に伴う神経変性にどのように寄与するかについての理解が進む中、本研究ではショウジョウバエのグリア細胞を対象に、原地細胞表面プロテオミクス解析手法を適用した。この手法を用いて若齢および老齢のショウジョウバエのグリア細胞表面タンパク質を解析し、脳の老化に関与すると予測される候補遺伝子を特定した。遺伝子スクリーニングの結果、老齢ショウジョウバエで発現が低下する表面タンパク質DIP-βを同定し、成体グリア細胞での過剰発現がショウジョウバエの寿命を延長することを発見した。全頭単核RNAシーケンス解析により、DIP-βの過剰発現は主にグリア細胞と脂肪細胞に影響を与えることが明らかになった。また、グリア細胞におけるDIP-βの過剰発現は、細胞間コミュニケーションの改善と関連していた。本研究は、ショウジョウバエのグリア細胞に原地細胞表面プロテオミクスを適用し、脳老化のグリア細胞調節因子としてDIP-βを特定した初の研究である。
- ショウジョウバエの成体グリア細胞でのDIP-β過剰発現が寿命を延長することを発見
- 原地細胞表面プロテオミクス解析手法をグリア細胞に適用し、脳老化のグリア細胞調節因子としてDIP-βを特定した初の研究
グリア細胞の表面プロテオミクス解析により脳老化の調節因子DIP-βを特定し、その過剰発現が寿命延長につながることを示した研究。老化・神経変性領域における新規ドラッグターゲットの創出可能性があり、アンチエイジングや神経変性疾患治療の観点から投資価値がある。ただし基礎研究段階であり、実用化までの距離は長い点に留意が必要。