分子解析と計算モデリングにより、デングウイルス誘発性可溶性因子によって引き起こされる内皮細胞の時間的に分離可能な応答が明らかに
Molecular analysis and computational modeling reveal temporally separable responses triggered by DENV-induced soluble factors in endothelial cells
デングウイルス(DENV)感染による重症化(SD)は、内皮細胞の機能不全によって引き起こされる。本研究では、DENV感染細胞由来の培養液(CMDV)を用いたin vitro実験と計算モデリングを統合し、CMDV誘発性内皮細胞の変化とそのSD発症への影響を調査した。CMDVはSNA1とCDH2の発現を増加させ、OCLNとCDH5の発現を抑制した。トランスクリプトーム解析により、CMDVは一過性の炎症反応を引き起こし、その後、組織修復遺伝子とマトリックスリモデリングを誘導することが明らかになった。非指向性非同期ネットワークモデル(NDAM-CMDV)は、IL6とFN1がDENV誘発性内皮細胞の分化における中心的なノードであることを特定し、病気の進行予測と治療標的の特定に新たな分子インサイトを提供した。
- DENV感染細胞由来培養液を用いたin vitro実験と計算モデリングの統合により、内皮細胞の経時的な応答(一過性炎症→組織修復・マトリックスリモデリング)を解明
- 非指向性非同期ネットワークモデル(NDAM-CMDV)により、IL6とFN1がデングウイルス誘発性内皮細胞分化の中心的ノードとして特定された
デングウイルス重症化メカニズムの分子レベルでの解明は、新規治療標的(IL6・FN1)の特定につながる可能性があり、感染症治療薬・診断薬市場での応用が期待される。特に重症デングの予後予測や治療標的開発に関わる基礎研究として、アカデミア発の創薬シーズとして注視に値する。