大規模言語モデルの「トークン単価」表示の落とし穴:実際のコストはトークナイザーで大きく変動
The real prices of frontier models. Tokens * Price, right?
大規模言語モデル(LLM)の価格表示における「トークン単価」は、実際のコストを正確に反映していない。モデルごとにトークナイザー(テキストをトークンに分割する仕組み)が異なり、同じテキストでも分割されるトークン数が変わるため、請求される金額が大きく変動する。例えば、同じTypeScriptファイルをGPT-5.xでは681トークン、Claudeの新しいトークナイザーでは1,178トークンとなり、約1.73倍の差が生じる。これは、モデルの価格が「トークン数 × トークン単価」で決まるため、トークン単価が同じでもトークン数が異なれば請求額も変わるからだ。特にコードのようなプログラミング言語では、このトークン数の差が顕著になり、英語の文章(約1.4倍)よりも大きな差(TypeScriptで約1.73倍)が見られる。Anthropicの新しいトークナイザーは、従来のトークナイザーと比較して、同じベンダー内でも約29-32%トークン数を増加させる「ステルス値上げ」を引き起こしている。実際のコストを比較するには、各モデルのトークナイザーで実際のコンテンツを処理した場合のトークン数を測定し、それを単価に乗じて「タスクあたりの実質コスト」を算出する必要がある。
- 同じTypeScriptファイルでGPT-5.xが681トークン、Claudeの新トークナイザーが1,178トークンと約1.73倍の差が生じる
- Anthropicの新しいトークナイザーは従来比で約29-32%トークン数を増加させる「ステルス値上げ」を引き起こしている
- コードのようなプログラミング言語では英語文(約1.4倍)より大きな差(TypeScriptで約1.73倍)が生じる
LLMのトークナイザー非互換性により「トークン単価」だけでの比較が不十分であるという点は、AIモデル選定時のコスト試算に直接影響する。特にAnthropicの新トークナイザーが従来比で約29-32%ものトークン数を増加させている事実は、実質的な「ステルス値上げ」であり、クラウド/AIサービスの購買担当者や投資家にとって見逃せない。モデル同士のコスト競争力を評価する際は、単価だけでなくタスクあたりの実質コストを計算する必要があり、この指標がベンダーロックインやシェア変動の要因になり得る点に注目すべき。