AI支援子宮頸部細胞診における前処理レポート:データ取得文書の範囲レビュー
Pre-analytical reporting in AI-assisted cervical cytology: a scoping review of data acquisition documentation
子宮頸部細胞診スクリーニング用のAIモデルは、プールされた精度と感度が90%を超えているが、その結果の一般化は、サンプル調製、染色、デジタル化、注釈などの前処理要因に依存する。本スコープレビューでは、2005年から2025年までに発表された28のデータセットを調査し、16の前処理変数に関する情報を抽出した。報告の完全性の平均は71.2%(16項目中11.4項目)であった。特にデジタル化(平均60.2%)が最も弱く、スキャンモード、画像ファイル形式、カラー正規化ステータスの未報告率が高かった。染色プロトコルは75.0%で言及されたが、十分な詳細で記述されたのは7.1%のみであった。定量的なアノテーター間一致は14.3%のデータセットで提供された。これらの報告率の低い変数は、AIモデルのパフォーマンスのばらつきの最も重要な原因として特定されている。このギャップに対処するため、16項目のチェックリストであるPRECY-AI(Pre-analytical Reporting Checklist for Cervical Cytology AI)を提案する。ドメイン固有の前処理レポート基準の採用は、子宮頸部細胞診AI研究の再現性、比較可能性、および臨床的翻訳可能性を向上させる可能性がある。
- 子宮頸部細胞診AIモデルのプールされた精度と感度は90%超だが、前処理要因の報告不十分(報告完全性平均71.2%、スキャンモードなどデジタル化関連は平均60.2%)で再現性に課題があることが判明
- 報告ギャップを解消するため16項目のチェックリスト「PRECY-AI」を提案
本レビューは子宮頸部細胞診AI分野の再現性問題を定量化し、16項目の報告基準(PRECY-AI)を提案した点が重要。AIモデル自体の精度は90%超と有望だが、前処理条件(染色・デジタル化・注釈)の未報告が性能ばらつきの主因であることが明確になった。臨床応用を目指す企業にとって、このチェックリスト基準を満たすデータセット構築・報告体制が競争力の差別化要因になる。規制当局(FDA/PMDA)が今後このようなドメイン別報告基準を求める可能性もあり、規制対応の観点からも注視すべき。