AUVナビゲーションにおけるDVL喪失時の適応的ロバストEKFとNARXベース速度予測
Adaptive Robust EKF with NARX-Based Velocity Prediction for High Precision AUV Navigation Under DVL Outages
本論文は、自律型無人潜水機(AUV)のナビゲーション性能が、DVL(ドップラー速度ログ)の喪失やノイズにより低下する問題に対処するため、適応型Huber-Sage-Husa拡張カルマンフィルター(AHR-EKF)と非線形自己回帰外生入力(NARX)ベースの速度予測モデルを組み合わせた統合SINS/DVL/PSナビゲーションフレームワークを提案する。AHR-EKFは外れ値を除外し、時間変動するノイズに適応することで、フィルターの安定性と状態推定精度を向上させる。DVL喪失時には、NARXモデルがプロペラ速度、ナビゲーションシステムからの速度増分、姿勢情報を外生入力として利用し、短期間のAUV速度を予測する。シミュレーション実験では、DVL喪失時の東西・南北位置のRMS誤差が、提案手法(V-NARX)でそれぞれ8.397m、6.530mとなり、比較手法(V-RPM)の24.699m、10.218mと比較して大幅に改善された。実海域試験でも、提案手法は東西・南北位置のRMS誤差をそれぞれ41.160m、28.023mとし、V-RPMの52.820m、67.057mと比較して22.1%、58.2%の削減を達成した。この手法は、DVL喪失時の軌跡連続性を維持し、INS誤差の急激な蓄積を抑制することで、緊急ナビゲーション能力を大幅に向上させる実用的で信頼性の高い工学的ソリューションを提供する。
- AHR-EKFとNARXベース速度予測モデルを組み合わせた統合SINS/DVL/PSナビゲーションフレームワークを提案
- 実海域試験で東西・南北位置のRMS誤差を従来手法比22.1%、58.2%削減
本論文はAUV(自律型無人潜水機)のナビゲーション課題に対する実用的な工学的ソリューションを提示している。DVL喪失時の位置推定精度を従来比で22〜58%改善した点は、海中探査・点検・監視用途でのAUV実用性向上に直結する。ただし、これは学術研究レベルの提案であり、製品化や事業化の具体的な計画はなく、短期的な投資機会に結びつく情報ではない。ロボティクス分野の基礎技術進展として中長期的に注目される可能性はある。