携帯電話の位置情報履歴にも憲法上のプライバシー保護が適用されると最高裁が判断
Supreme Court rules privacy protections apply to cellphone location history
米連邦最高裁判所は、携帯電話の位置情報履歴にも憲法上のプライバシー保護が適用されるとの判断を下しました。これは、銀行強盗事件の被告人の特定に位置情報履歴が用いられた事件を受けたものです。最高裁のケーガン判事は、たとえGoogleの位置情報履歴にオプトインしたとしても、携帯電話利用者はプライバシーの期待を放棄しないと述べました。一方、アリト判事は、Googleに自ら情報を提供したOkello Chatrie被告にはプライバシーの期待はないと反対意見を述べました。この判決は、1791年に批准された憲法規定を、現代のテクノロジーに適用しようとする最高裁の最新の試みです。警察は2019年5月にバージニア州リッチモンド郊外で発生した銀行強盗事件の後、ジオフェンス(地理的範囲)を指定する令状を用いて、事件発生時刻周辺に銀行付近にいた携帯電話を特定しました。その中の一台がChatrie被告のものでした。この令状により捜査が開始され、Chatrie被告が事件当時、銀行付近にいたことが判明した後、警察は彼の自宅捜索令状を取得し、約10万ドルの現金を発見しました。Chatrie被告は銀行強盗の罪を認め、約12年の懲役刑を宣告されました。彼の弁護人は、令状が被告人のプライバシーを侵害したとして、証拠の使用に異議を唱えました。最高裁は、令状が憲法修正第4条(不合理な捜索・押収の禁止)に違反するかどうかについては判断せず、事件をより低い裁判所に差し戻しました。
- 米連邦最高裁が携帯電話の位置情報履歴に憲法修正第4条のプライバシー保護が適用される可能性を示した
- 最高裁は令状が憲法違反かどうかの判断はせず、事件を下級審に差し戻した
本件は米国最高裁が携帯電話の位置情報履歴に憲法上のプライバシー保護が及ぶと判断した点が重要。テクノロジー企業にとって、ユーザーデータへの捜査令状の要件が厳格化される可能性があり、データ提供に伴う法的リスクやコンプライアンスコスト増加につながる。特に位置情報や広告ターゲティングに依存するビジネスモデルを持つ企業にとっては、今後の規制変更の前例となり得るため、注視が必要である。