改質プロセスにおけるH2/CO2分離効率向上のためイオン液体を用いたPLAベース複合膜の調整
Tailoring PLA-Based Composite Membranes with Ionic Liquids for Efficient H2/CO2 Separation in Reforming Processes
本研究は、合成ガスと水性ガスシフト反応から生成される水素(H2)を、二酸化炭素(CO2)から分離するための複合膜を開発した。ポリエステル(PLA)膜にキノリン系イオン液体を3%および10%添加した複合膜を作製し、その熱特性、微細構造、ガス分離性能を評価した。特に、3%のグリシン酸キノリンイオン液体を添加したPLA膜は、111バラーの水素透過性と8.2のH2/CO2選択性を達成し、2008年のRobeson Upper Boundを上回る性能を示した。しかし、水分存在下では分離性能が低下するため、水素精製プロセスへの応用には効果的な水分除去が必要であることが示唆された。
- PLA膜に3%のグリシン酸キノリンイオン液体を添加した複合膜が、111バラーの水素透過性と8.2のH2/CO2選択性を達成し、2008年のRobeson Upper Boundを上回る性能を示した
本研究成果は水素精製用の膜分離技術において、イオン液体添加によるPLA複合膜が2008年のRobeson Upper Boundを超える分離性能を示した点が注目に値する。低コストで生分解性のPLAをベースとしながら、キノリン系イオン液体添加により高選択性を実現したことは、水素社会の実現に向けたガス分離コスト低減に寄与する可能性がある。ただし、水分存在下での性能劣化が課題であり、実用化には前処理工程の追加が必要となる。現時点ではラボレベルでの成果であり、スケールアップや長期耐久性の検証が次のマイルストーンとなる。