ニコン、ASMLの露光装置市場の独占打破へ低価格戦略を武器に
Nikon weaponizes lower prices to break ASML's lithography monopoly
ニコンの新社長兼CEOである大村康二氏は、ASMLに対抗するため、アルゴンフッ化物(ArF)露光装置を市場リーダーであるASMLよりも安価で提供する方針を明らかにしました。同氏は、米国とアジアの大手半導体メーカー数社と、購入注文に近づいているArF装置の新規受注について交渉中であると述べています。ニコンは2024年度に11台のArF装置を出荷しましたが、2025年度第1~第3四半期はゼロでした。一方、ASMLは露光装置市場の80%以上を占めています。ニコンは2028年度に新レンズとウェーハステージを備えた新しいArF液浸プラットフォームを投入する予定で、ASMLの既存装置との互換性も考慮されています。大村氏は、部品の内製化がコスト競争で有利に働くと語っています。AI需要の高まりで露光装置の需要が増加する中、ニコンとASMLはArF露光装置を製造する唯一の2社です。ASMLは2025年にEUV装置48台と液浸DUV装置131台を出荷し、388億ユーロの受注残を抱えています。大村氏は、半導体メーカーがコスト抑制のため、単一サプライヤーに依存するよりも2社から購入することを望むだろうと主張しています。ニコンは3月期通期で860億円(5億4000万ドル)の純損失を計上しましたが、大村氏はカメラと半導体製造装置に事業を集中させる計画です。
- ニコンの新CEO大村康二氏がASMLに対抗する低価格戦略を発表
- ニコンが2028年度に新ArF液浸プラットフォームを投入する計画を発表
- ニコンがArF露光装置で複数の半導体メーカーと新規受注交渉中
ニコンがASML独占のArF露光装置市場に低価格戦略で再参入し、2028年度に新プラットフォーム投入を計画している点は、半導体製造装置のサプライチェーン多様化という観点から注目に値する。特にAI需要拡大で露光装置需要が増加するなか、半導体メーカーがコスト抑制のためにセカンドソースを求めるニーズと合致すれば、ニコンの受注回復が業績改善につながる可能性がある。ただし現状の受注ゼロ状態から回復軌道に乗るかどうかは、実際の顧客獲得と新プラットフォームの性能次第であり、慎重な見極めが必要。