RNAスプライシング予測・設計のための生成モデル
Generative modeling for RNA splicing prediction and design
プレmRNAの代替スプライシング(AS)は組織特異的な遺伝子調節に重要であり、スプライシング異常は疾患に関わる。本研究では、組織特異的なRNAスプライシング結果を予測・設計するための生成AIモデル「TrASPr+BOS」を開発した。TrASPrは様々なASイベントに対応できるマルチトランスフォーマーモデルであり、BOS(Bayesian Optimization for Splicing)アルゴリズムの学習用ラベル付きデータを生成する。TrASPr+BOSは既存手法を上回り、組織特異的なAUPRCを最大1.8倍向上させ、組織特異的な調節要素を捉えることができた。数百の予測された新規組織特異的スプライシングバリエーションを検証し、dCas13を用いて新たな調節要素を確認した。TrASPr+BOSは、研究者が特定のタスクを調査または採用できる、軽量かつ高精度な手法となることが期待される。
- 組織特異的RNAスプライシングを予測・設計する生成AIモデル「TrASPr+BOS」が開発された
- dCas13を用いて新たな組織特異的スプライシング調節要素が実験的に確認された
本記事で報告されているTrASPr+BOSは、組織特異的なRNAスプライシングの予測・設計を可能にする生成AIモデルであり、スプライシング異常が関与する疾患(例:がん、神経変性疾患、遺伝性疾患)の治療標的発見やRNAベースの治療薬設計に応用可能な点で注目に値する。特に、dCas13を用いた実験検証まで実施して新たな調節要素を確認している点は、実用化への道筋を示しており、バイオ創薬スタートアップや製薬企業との協業・ライセンス機会につながる可能性がある。既存手法比AUPRC最大1.8倍の精度向上は競争優位性の証左であり、今後の創薬パイプラインへの組み込みや受託解析ビジネスとしての展開が見込まれる。