海底ケーブルの耐障害性と重要インフラを巡る課題
Submarine cable resilience
世界中に敷設された約150万km・607の海底光ケーブルシステムは国際通信を支える重要インフラだが、浅瀬での漁船や錨による損傷(全障害の86%)、地殻変動、地政学的リスクに晒されている。近年はバブ・エル・マンデブ海峡やバルト海などで損傷が相次いでいるほか、領海内修理の許可遅延や、2040年までに既存修理船の約3分の2が耐用年数に達する老朽化と資金不足が課題となっている。さらに、かつての通信会社コンソーシアムから米国の巨大IT企業主導の敷設へシフトしており、Googleが2028年までに主要海域で最大のケーブル保有者となる見通しなど、民間寡占に伴う主権リスクや修理体制への影響が懸念されている。
- 海底光ケーブル敷設の主導権が米巨大IT企業へシフトしており、Googleが2028年までに主要海域で最大のケーブル保有者となる見通しである。
- 世界で海底光ケーブルの損傷が相次ぐ中、既存の修理船の約3分の2が2040年までに耐用年数に達し、保守能力の老朽化と資金不足が課題となっている。
海底ケーブルインフラの主導権が従来の通信キャリアからGoogleなどのハイパースケーラーへ急速に移行しており、デジタル主権リスクとともに保守船不足などの物理的リスクが顕在化しています。ケーブル敷設・修理能力を巡るサプライチェーン制約や、関連する海洋エンジニアリング・インフラ保守銘柄の需給逼迫に注視が必要です。