天然ゴム向け持続可能フィラーとしての化学修飾クルミ殻バイオ炭:表面特性、フィラー間相互作用および機械的性能
Chemically Modified Walnut Shell Biochar as a Sustainable Filler for Natural Rubber: Surface Properties, Filler–Filler Interactions and Mechanical Performance
クルミ殻バイオ炭(BC)を天然ゴム(NR)の持続可能な充填材として利用するため、クエン酸や水酸化ナトリウムによる化学精製と表面官能基化の影響が調査された。BCの配合によりNRの引張強度は14.1MPaから22.1MPaに向上し、架橋密度も増加した。また、NaOH処理によって最適加硫時間が1.99分から1.50分へと短縮され、ペイン効果も75.5%から40.1%へと低減した。さらに、化学修飾により熱酸化老化係数が未処理BCの0.31から0.89へ改善するなど、機械的性能や耐老化性の制御に有効であることが示された。
- 化学修飾したクルミ殻バイオ炭を天然ゴムのフィラーとして使用することで、引張強度が14.1MPaから22.1MPaに向上し、加硫時間の短縮や耐老化性の大幅な改善が確認された。
化石燃料由来のカーボンブラック代替として、農業廃棄物であるクルミ殻由来のバイオ炭が天然ゴムの機械的強度や耐老化性を大幅に向上させることが示された。タイヤなどゴム産業の脱炭素化要請に応える新素材技術として、製造プロセスの短縮効果も含め実用化の進展に注目したい。