アルカリ性媒体中での酸素還元反応触媒としての銀埋め込みレーザー誘起グラフェン
Ag-Embedded Laser-Induced Graphene as a Catalyst for the Oxygen Reduction Reaction in Alkaline Media
燃料電池における酸素還元反応(ORR)の遅い速度論を改善するため、ポリアミドフィルム上に銀箔をコーティングし、CO2レーザーを照射して銀ナノ粒子(約5~50 nm)が埋め込まれたレーザー誘起グラフェン(Ag@LIG)を一段階で合成した。このプロセスにより、ポリマーは多孔質の3次元グラフェンネットワークに変換され、金属銀粒子が炭素マトリックスに組み込まれる。X線光電子分光法により、Ag@LIGは未処理のLIGよりも高い窒素含有量を示し、特にピロール窒素が優勢であることが確認された。電気化学的特性評価の結果、Ag@LIGは未処理のLIGと比較してORR活性が向上し、開始電位が約30 mV正シフトし、過酸化物生成が少なく、全体的に4電子経路で反応が進行することが示された。この固体レーザーアプローチは、アルカリ型燃料電池向けのORR性能が期待できる銀-炭素ハイブリッド電極触媒の製造に有望である。
- ポリアミドフィルム上に銀箔をコーティングしCO2レーザーを照射する一段階プロセスで、銀ナノ粒子(約5~50nm)が埋め込まれたレーザー誘起グラフェン(Ag@LIG)を合成した
- X線光電子分光法により、Ag@LIGは未処理LIGより窒素含有量が高く、特にピロール窒素が優勢であることを確認した
- 電気化学的特性評価でAg@LIGは未処理LIGよりORR活性が向上し、開始電位が約30mV正シフト、過酸化物生成が少なく4電子経路で反応が進行することが示された
- 固体レーザーアプローチはアルカリ型燃料電池向けのORR性能が期待できる銀-炭素ハイブリッド電極触媒の製造に有望とされる
燃料電池の性能を左右する酸素還元反応(ORR)触媒を、ポリアミドフィルムへの銀箔コーティングとCO2レーザー照射という一段階・固体レーザープロセスで合成した点が注目される。Ag@LIGは開始電位が約30mV正シフトし、過酸化物生成が少なく4電子経路で進行するなど、白金代替につながり得る銀-炭素ハイブリッド電極触媒の性能向上を示す実験結果であり、材料・製造プロセスの簡素化による低コスト化の可能性が投資テーマになり得る。ただし現段階はラボレベルの電気化学評価であり、スケールアップ性や耐久性、白金系に対するコスト優位の実証が今後の確認ポイントとなる。