ラトビアの入院児における肺炎球菌鼻咽頭カリエス、血清型分布、およびワクチン接種状況:PCV13後、PCV15/PCV20移行期の横断研究
Pneumococcal nasopharyngeal carriage, serotype distribution, and vaccination status in hospitalized children in Latvia: A cross-sectional study during the post-PCV13, pre-PCV15/PCV20 transition period
ラトビアの小児病院で2021年1月から2022年9月にかけて、321人の入院児(0〜18歳)を対象に肺炎球菌の鼻咽頭カリエス(保菌)に関する横断研究が実施された。この期間はPCV13(13価肺炎球菌結合型ワクチン)の使用後、PCV15/PCV20(15価/20価ワクチン)導入前の移行期にあたる。全体の保菌率は21.8%(70/321)であった。PCR陽性検体のうち、78.6%(55/70)は型別不能(non-typeable)であり、型別可能な15検体(21.4%)からは、最も検出頻度の高かった血清型は20型、13型、48型であった。これらはPCV13でカバーされていない型である。PCVワクチン接種率は63.2%(203/321)で、PCV10が主流であった。ワクチン接種状況と保菌率の間には有意な関連は見られなかった(接種あり: 25.6% vs. 接種なし: 16.7%; p = 0.138)。1〜5歳児の保菌率が30.9%と最も高かった。本研究は、バルト地域におけるこの移行期の肺炎球菌カリエスに関する初の包括的な評価であり、今後のPCV15およびPCV20導入後の影響評価の参考となるデータを提供するものである。
- 2021年1月〜2022年9月にラトビアの小児病院で0〜18歳の入院児321人を対象に肺炎球菌鼻咽頭保菌の横断研究を実施。PCV13使用後・PCV15/PCV20導入前の移行期に当たる
- 全体の保菌率は21.8%(70/321)。PCR陽性検体中78.6%(55/70)は型別不能で、型別可能な15検体では血清型20型・13型・48型が最頻であり、いずれもPCV13でカバーされていない
- PCV接種率は63.2%(203/321)でPCV10が主流。接種あり25.6%対接種なし16.7%と保菌率に有意差なし(p=0.138)。1〜5歳児の保菌率が30.9%と最高
- バルト地域におけるPCV移行期の肺炎球菌保菌に関する初の包括的評価であり、PCV15/PCV20導入後の影響評価の基準データを提供
ラトビアの入院児321人を対象とした横断研究で、PCV13終了後・PCV15/20導入前の移行期における肺炎球菌保菌率は21.8%と報告された。型別可能検体ではPCV13非カバー血清型(20型・13型・48型)が上位を占め、接種率63.2%でも保菌率との有意な関連は認められなかった(p=0.138)。ワクチン非カバー型への置換(セロタイプ置換)が示唆され、PCV15/PCV20への移行が市中肺炎球菌ワクチン市場の需要構造をどう変えるかを読む材料になる。ただし本研究は保菌(コロニゼーション)の観察にとどまり、発症率や売上への直接効果は示しておらず、短期の投資判断材料としては限定的。ワクチンメーカーの新型ワクチン普及とガイドライン更新の動向を継続監視したい。